日本遺族会は、戦後80年となる令和7年度までの3年間で、
先の大戦の経験を語り継ぐ「平和の語り部」活動を強化します。
これに伴い、全国各地で活動する語り部のネットワークを構築するほか、
戦没者遺族やその家族以外にも新たな担い手を発掘する計画です。
戦没者遺族の高齢化が進み、戦争の記憶が失われるのを防ぎ、
戦争の実態を後世に伝える仕組みを確立させたる事を目的としています。
遺族会は戦後まもなくから、都道府県各支部の戦没者遺族の会員らが、
地元の小中学校などの依頼に応じる形で、戦災体験等を語り伝えてきました。
平成29年以降は全国の39都道府県支部に青年部が結成され、
体験談を映像に残す活動や、戦跡の慰霊や追悼式への参加、靖国参拝等、
戦没者の孫世代が参加する機会を増やしてきましたが、
こうした活動費用の大半は語り部の自己負担か、
各県の遺族会の会費で賄ってきました。
戦時中に子供だった語り部の平均年齢は80歳を超え、
現状のままでは今後の活動が先細りするとの懸念は強まっています。
また、遺族会の中では、戦中・戦後の情報収集や歴史的資料の保存は
「遺族らの手弁当で続けるのは限界があり、
国の事業として実施すべきだと思います。
今年度から来年度にかけて、各県の遺族会等を通じ、
全国の語り部活動の実態把握を始め、全国的な語り部のネットワークを構築し、
平和教育に貢献したいと考えています。
先の戦争に対する評価とは関係なく、平和な世界を構築することは、
みんなの願いであり、私たちがしっかり語り継がなければなりません。
https://www.sankei.com/article/20230827-SFO7Z4ZAZJJYTABQ2NQCTGBNDU/