このたび、科学史・技術史などの研究発表の場となっている、同人誌の「サジアトーレ」のブログを開設しました。本誌は1975年の創刊であり、2023年5月には第50号を発行しました。また東京科学大学(旧東京工業大学)で毎週火曜日に開かれている『火ゼミ』の『準機関誌』として創刊されたという経緯もあり、現在でも火ゼミの関係者が数多く投稿しています。このブログを通じて、過去の内容を紹介したり、最新情報を発信したいと考えています。

 

★現在サジアトーレでは同人を募集しています。

・希望者は渡辺弘(watanabe.hiromu★nifty.com)までご連絡ください(★は@に変換してください).
・雑誌を2冊送りますので,同封の振替用紙で年会費3,500円を振り込んで下さい.

 ・同人は投稿の権利をえます.

(投稿に関してはブログ内の『サジアトーレ投稿内規(案)』を参考にしてください)

 

なお最新号以外にも、2013年以降のバックナンバーの在庫もあります。

*No.52(2025年)が完成しました。(2025年6月4日)一冊1200円です。

*現在、国立国会図書館には創刊号から最新号まで所蔵されています。

また、神奈川県立川崎図書館にはNo.45から最新号まで所蔵されています。

 

 

2025年 No.52 目次

 

<論文>

空気から気体へ(Ⅰ)―空気弾性の発見           肱岡義人 1

T.H.モーガン、津田梅子共著カエル初期発生論文       

  ―梅子は何をどこまで行ったのか―           溝口 元 20

我が国における研究不正の概観:OHの博士論文の事例

  ―外部研究(外研)制度とネグレクト―         菊池重秋 42

 

<翻訳>

F.ツィルゼル:歴史と生物学,伝承と遺伝(下)     訳:秋間 実 55

ケーニヒスベルガー著:ヘルムホルツ伝(27)         訳:渡辺 弘 63

 

<論説>

「社会」と並び,「自然」もまた,人間を主人公と仰ぐ日は来るか

                             水野浩雄 76

 

<研究ノート>

人間と動物の関係史―イギリスを中心に―          加藤和広 80

科学者と婿養子                      下坂 英 96

魯迅は地質学を志していた                 矢島道子 101

東北大学附属図書館所蔵の鹿野文庫に入らなかった「鹿野博士集書」

                             初山高仁 102

 

<論文>

「通史ゼミ」の経験とその後の思索の旅

  ―「環境文明史」通史の視点から―           高山 進 108

「矛盾による自己運動」論の試論的再検討          山崎正勝 121

 

編集後記                              126

 

呼びかけ≫

 本誌は,われわれ同人が科学・技術をめぐる諸問題をともに研究し,問題意識を交流・発展させる場です.われわれ同人は,科学史・技術史をはじめとする諸問題に関心を持つ若手研究者・教師・学生の,多種多様かつ持続的な研究会活動から生まれました.私たちは,本誌を共通の広場として,現代的な問題意識をとぎすましつつ,科学・技術にかかわる諸問題を歴史的・根本的に把握することをめざしています.

 本誌は,個人の日頃の問題意識や新しい着想,様々な研究会の到達点や討論の紹介など,われわれの理論的・実践的活動の中で生まれた貴重な成果を文章として蓄積し,また積極的な討議を通じて,それを共通の財産にしていくために発行されます.したがって,個人や研究会による報告は,必ずしも学問的な論文や完成された論文に限定されません.むしろ読み手との討論を通じて,更に考えを進めるためのものとして,自由に,気軽に発表されるものです.

 以下のような本誌の性格から,発表するにあたっては,次のように留意することが必要でしょう.

 何よりもまず,みずからの考えを明確に表現すること,また建設的な討論を容易にするためにも,不鮮明な用語は避け,できる限り,わかり易い文章にすることが大切でしょう.更に,他人の説に言及する際は節度を守り,みずからの考えを明確にし,討論を前進させるものにしましょう.他方,読み手の側は,お互いの研究を発展させるために,本誌で活発に討論を行いましょう.いうまでもなく投稿内規を守り,積極的に投稿することが重要です.

 

読者の皆さんへ≫

 われわれは本誌で,いわば,大声を出しながら,考え,討論をすすめていくつもりです.そして,われわれの問題は,決して同人内部の特殊なものではなく,広く社会に存在している問題と結びついていると確信しています.したがって,同人以外の読者のみなさんと,ともに考えていくことが,不可欠であると思います.

 読者の皆さんが,多くの批判,意見を,とりわけ,現代社会の様々な場所での問題,関心を,反映させることによって,本誌の発展に御協力下さるよう,お願いします.

 

本誌の名“サジアトーレ”≫

 Saggiatore サジアトーレと読む.正確にいえば,Il Saggiatore(イル・サジアトーレ)である.もとの意は黄金を秤量する役人をさす.

 ガリレオの著書で古くから「論争のバイブル」と呼ばれた『イル・サジアトーレ』(『贋金鑑識官』または『黄金計量者』1623年)が本誌の題名となった.反ガリレオ勢力の頭目として論陣をはったグラッシ神父の著書に,ガリレオの考えを「秤量」するためと称して「天文学的哲学的天秤」が持ちだされた.ならば,その天秤の使い手がいかに偽せものであるかを鑑識しようではないか,とこんな意図をあらわしているという.

(『ガリレオ』豊田利幸訳・著 中央公論)

 本誌は「真の科学」を探求する集団の共通の広場として,それにふさわしい名をつけようではないかと思案して,(不遜のそしりをまぬがれないが)ガリレオから拝借することにした.

サジアトーレ投稿内規(案)

20095月改訂

 

1.同人であれば「サジアトーレ」への投稿が自由に行える.

2.「サジアトーレ」への投稿は,科学技術に広く関係する問題提起的な論文の他に,書評,コラム,翻訳,各種集会の記録なども投稿できる.また編集係の責任により,特集などの企画を誌面に載せることができる.

31回の投稿枚数は原則として割り付け後のページ数として,15頁以内とする.

4.原稿の作成は次のように行う.

・投稿は,原則としてワープロによる電子データで行うこと.

・編集作業時に形式を変更するので、文字化けなどが発生しないように,特殊な文字は避け,複雑な段組みは行わないこと.

・編集係が受け取る保存形式は,テキスト形式,一太郎形式,Word形式の3種類のうちの1つとする.

5.原稿は,編集係に送付する.

2024年 No.51 目次

<論文>

工学寮小学校をめぐる工部省の構想と実際           和田正法 1

我が国における研究不正の概観 J-ADNI事例の教訓

 ―多数の機関が参加する大規模研究では管理運営体制の整備が重要―

                              菊地重秋 16

 

<研究ノート>

イギリス経済史におけるアイザック・ニュートン<試論>    加藤和広 27

ブラタモリのさきがけ、脇水鉄五郎(1867-1941)        矢島道子 39

日本史教科書の科学者・技術者                下坂 英 41

 

<コメント>

下坂さんの「マグデブルクの馬」へコメント          内田正夫 46

 

<エッセー>

ウェッジウッドの四頭の馬                  加藤和広 50

 

<翻訳>

F. ツィルゼル:歴史と生物学,伝承と遺伝(中)      訳:秋間 実 53

ケーニヒスベルガー著:ヘルムホルツ伝(26)       訳:渡辺 弘 66

 

<随筆>

北京滞在の記

 ―「中国科学院訪問科学家」として自然科学史研究所に60日― 市川 浩 87

 

<論文>

近代化学を準備した17世紀及び18世紀前半の化学(Ⅳ)

   ―18世紀の溶媒論―                   肱岡義人 1

障がい者スポーツ選手(パラアスリート)の登場と

  それを支えるテクノロジー                 溝口 元 14

 

<研究ノート>

近代スウェーデン天文学小史                  加藤和広 23

『広辞苑』と科学史                      下坂 英 34

関陽太郎とフクシマ                      矢島道子 39

東北帝国大学理科大学創設期の物理学実験機器などについての覚書

  ―長岡半太郎と日下部四郎太の記述から―          初山高仁 40

 

<翻訳>

F.ツィルゼル:歴史と生物学,伝承と遺伝(上)      訳:秋間 実 46

ケーニヒスベルガー著:ヘルムホルツ伝(25)        訳:渡辺 弘 63

 

<覚書>

ソヴィエト科学・技術”の探究 ―研究を振り返って―      市川 浩 72

 

<論文>

富塚清の『工業教育と再建』と『生活に科学を求めて』

  ―戦時下における航空工学者の科学振興―          高田達男 84

対立物の統一・闘争論の起源と日本の科学史研究への影響     山崎正勝 100

 

編集後記                                110

 

<論文>

1930年代カリフォルニア大学の変貌

  ―学外の研究資金の呼び込みから学内の特許制度の変更へ―   日野川静枝 1

近代化学を準備した17世紀及び18世紀前半の化学(Ⅲ)

  ―溶液操作の拡大―                     肱岡義人  20

<研究ノート>

ベルセリウスとスウェーデン王立科学アカデミー          加藤和広  31

アルキメデスは風呂に入る                    下坂 英  44

<翻訳> 

E.ツィルゼル:ロマン派のイデオロギーのもろもろの社会的な根 訳:秋間 実  46

ケーニヒスベルガー著:ヘルムホルツ伝(24)          訳:渡辺 弘  60

<論文>

物理学と唯物「弁証法」再考

  ―武谷三男『弁証法の諸問題』を通じて―           山崎正勝  73

古代中国の戦争論と軍事技術                   奥山修平  82

軍事技術史・軍事技術論の今日的課題             

  ―ウクライナ問題に寄せて―                 井原 聰   101

編集後記                                  108

<論文>

1930年代前半ソヴィエト工業教育における “マルクス主義的技術史” の探求

  ―ニコライ・ヴォルコフを中心に―              市川 浩   1

近代化学を準備した17世紀及び18世紀前半の化学(Ⅱ)

  ―17世紀前半の化学―                    肱岡義人  18

<研究ノート>

「物作り」の職人・技術者の成立とその社会的地位         恒川清爾  30

椿の花をめぐって~牧野物理学?                  下坂 英  44

夏目漱石と関わりのある科学者たち                加藤和広  47

<翻訳>

ケーニヒスベルガー著:ヘルムホルツ伝(23)          訳:渡辺 弘  56

<エッセー>

寺田寅彦とスウェーデン                     加藤和広  70

災害教育には地質図の読み方を                  矢島道子  75

<論文>

三木清の技術論の初期の特徴                   初山高仁  77

京城・台北帝国大学に在職した日本人動物学者の活動と引き揚げ後  溝口 元  91

編集後記                                  104

<論文>

近代化学を準備した17世紀及び18世紀前半の化学(Ⅰ)

  ―17世紀化学の特徴―                    肱岡義人  1

広島文理科大学における戦時研究と理論物理学研究所

  ― “基礎研究シフト” との関連で―(市川浩序)       宮川 慧  10

ヴィクトル・ダニレフスキー(18981960年)再考

  ― “正統” マルクス主義技術史の背景―           市川 浩  17

<回想>

旧稿「相対性理論の擁護」(1959年)を60年ぶりに手に取ってみて  秋間 実        24

<研究ノート>

東北大学附属図書館所蔵の『唯物論研究』             初山高仁  27

1718世紀のBergskollegium(スウェーデン鉱山局)の学者たちの旅

  ―神聖ローマ帝国・イギリス・オランダ・そしてロシアへ―   加藤和広  31

マクデブルクの馬は頑張ったのに・・・              下坂 英  45

<翻訳>

内外の卓越した物理学者たちをプロイセン学士院の会員に

  ―候補者推薦の辞いくつか(3)―            訳編:秋間 実   53

ケーニヒスベルガー著:ヘルムホルツ伝(22)          訳:渡辺 弘  72

<エッセー>

桂川甫周「北槎聞略」を読む                   加藤和広  87

<論文>

地球温暖化による被害の補償を求める途上国

  ―実利追求の渦に翻弄される気候学者―            水野浩雄  92

<論文>

誰も問われなかった責任-北海道電力のブラックアウト―「平成30年北海道胆振

        東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会」報告批判   井原  聰   1

東北地方太平洋沖地震津波は予測されていたか          水野浩雄   10

ナチス・ドイツ原子力開発計画に関する新資料

  ―ライナー・カールシュ (Rainer Karlsch) の発見―(市川浩序) 黒川初太郎  25

産業界からみた科学技術動員-石川一郎文書調査からわかったこと- 田中浩朗  43

<研究ノート>

日本科学史教材としての周期表                  下坂 英  53

スウェーデンにおける産業構造の転換・18151915年        加藤和広  57

<翻訳>

内外の卓越した物理学者たちをプロイセン学士院の会員に

  ―候補者推薦の辞いくつか(2)―            訳編:秋間 実      68

ケーニヒスベルガー著:ヘルムホルツ伝(21)          訳:渡辺 弘     87