近代美術館で開催中の「ジャクソン・ポロック展」
床に広げた大きなキャンパスに、絵具をふりそそいで描くアクション
ペインティングでピカソを超えたと言われたアメリカの芸術家。
ポロックはトレードマークとも言える「ポーリング」という技法を確立し 、
グッゲンハイムに見出され一夜で有名になっていった。
まさにアメリカンドリームの体現者ですね。
ポーリングとは流動性の塗料を画面に流し込んで描くというもので
あるが、初期のころはネイティブアメリカンやキュビズムに影響を受
けた絵を描いていた。
初期の作品も好きだけれど、だれでもできそうで実は緻密に計算
されているポロックのポーリングはやっぱり圧倒されます。
特に壁画は大きさもあるのだけれど、迫ってくるものがあって圧巻。
ちなみにこの作品のクリスティーズの最新評価額は200億円。
世界最高額です。すごい!
しかし晩年には衰退の危機を迎える。
黒を基調とした「ブラック・ポーリング」と呼ばれるシリーズ。
これは評価されることなく、失意のうちに飲酒におぼれ結局交通事
故により44歳の短い人生をおえる。
展示の最後にはアトリエが再現されていました。
広いアメリカの大地に立つ質素な小屋。
こういうところで書かれていること自体ヨーロッパの絵描きとは違う
感じがするが、ポロック自身は「アメリカ」と特別視されることを嫌が
っている。わかる気もするけれどやっぱりこのダイナミックなところは
アメリカの絵画なんでしょうね。