デビッド・フィンチャーの新作「ドラゴン・タトゥーの女」
「セブン」を思い出す猟奇的な殺人事件。
もちろんハリウッド的なハッピーエンドはない。
衝撃的なミステリー。
スウェーデンで刊行されたベストセラー小説が原作。
フィンチャーの映画はミステリーであってもそうでなくてもいつも
驚かされる。
映画のテンポも速く目が離せない。
大好きな監督の一人。
スウェーデンの経済ジャーナリストミカエルは、大物実業家の汚職を
暴くが逆に訴えられ敗訴してしまう。経済的にも窮地に陥った彼に
かつて経済界に君臨していた大富豪から40年前におきた事件につ
いて調査の依頼がくる。しかも一族の誰かが犯人だという。
アシスタントになるのが天才的ハッカーで調査員のリスベット。
幼い頃から暴力にさらされた人生を送り、精神病と診断されたため
いまだに後見人がついており、生活費もままならない。
二人でチームを組んだところから一気に事件の全貌が明らかにな
っていくのだが、その事件が解決しても終わらないところがフィン
チャーらしい。
ミステリーだからあまり書けないけれど、まさにフィンチャーワールド。
暴力やレイプなど衝撃的な映像もあるが、その分リスベットに感情
移入してしまう。でもそうなればなるほどツラくなる。
リスベット役のルーニー・マーラは顔にたくさんのピアスをし、髪を刈
上げ眉を脱色して役そのものになりきっている。
「ソーシャルネットワーク」でザッカーバーグの彼女役をしていた人と
はとても思えない。
ミカエル役のダニエル・クレイグは抜群の安定感で映画を支えている
がこれはルーニー・マーラの映画。ものすごい存在感。
次作が楽しみです。