ボル爺はとても紳士的な方だ。

出会って1時間も経たないのに、孫のように思われているのだろうか、不思議と安堵すら感じる。
沢山のホモ情報を教えてもらい、ボル爺が信用できる優しいお爺ちゃんと化した頃、この怪しげなお店を後にすることになった。

2人並んでゆっくりと歩く。
誰がどこから見ても孫とおじいちゃんが一緒に歩いているだけのように見えているであろう。
「つきさっき発展場でナンパされましたー」なんて誰も思わないし理解されないはず。


天王寺駅の方へ向かっているのか、ネオン街が近づく。このままお別れなのか。

ボル爺「ちょっとあそこのベンチに座りましょう」
歩くと足が痛むのか、私は何の躊躇いもなく首を縦に頷いた。

真っ暗な公園。
道路脇のベンチへ腰をかけた。
街灯の灯りだけがボル爺の横顔を照らす。

僕「足、大丈夫?」
ボル爺「足??」
僕「痛いの?」
ボル爺「何で?」

そういえば、ナンパ直後のボル爺の動きは速かった。勘違いだ。


ボル爺「君はどんな人が好きなの?」
僕「… おじさんみたいな人、好きっていうより安心できる」
ボル爺「こんなおじいちゃんでもいいの?」
僕「うん」
ボル爺「ありがとう」

ボル爺の手が僕の右膝を触れる。
緊張が一気に高まる。

ボル爺「触っていい?」

一層寄り添った。

ボル爺の手がズボンの上から忍び寄る。
僕のおちんちんははちきれんばかり。

ボル爺「あー久しぶりに若い子のおちんちん触ったよ」
ボル爺の手は温かく優しく、不思議な感覚に陥る
。幼少期の頃から誰にも言えない秘密の願望が実現している。

上下運動が始まる。
ボル爺「気持ちいい?」

僕「うん」

僕「いっちゃうよ」

ボル爺「いいよ」
鞄からハンカチを出してくれた。


すぐにイッてしまった。

その途端、急に恥ずかしくなり、悪い事をしたかのような、してはいけない事をしてしまったかのような罪悪感とでもいうか不思議な感覚に陥った。

それを察したのか、
ボル爺「ありがとう、またね」
私「うん」

急ぎ足で駅へ向かった。