苦労しましたよ、女性に興味のない中学生。


周りの友人達は「誰好きなん?」とか「もしエッチできなら誰とする?」とか思春期真っ只中のボーイズトークに花がさいていた。

それが苦痛で苦痛で仕方なかったのだが、変なヤツって思われるのは嫌だし、テキトーに「3組のK」なんて、当たり障りのない名前を出した。


ところがどっこい、

その日の放課後、喋ったこともない女子数人に拉致られ体育館裏に連れて行かれた。

「あんた、好きな子おるん?」

「あんた、Kの事好きなんやろ」

「付き合ったりーよ」

ってな流れて、気がつけば晴れてKとお付き合いすることになっていた。

しかし、お付き合いといってもたかが中学生。

学校帰りを一緒に、ってなもんだけど。


それでもある日、夕方の公園で二人並んでブランコに乗ってた時、突然…


「キスしたい」

って言われちゃった。


「ハァァ!!??」

手も繋いだことないのに、うぉー!なんて積極的な子!

でも無理やー!絶対無理や!

吐いてまう!女とキス?無理や!キモいって!


「ごめん… 今日、虫歯あって歯痛いから無理…」


考えて、考え抜いたセリフだった。


その場は何とか凌いだものの、かなりのオマセさんなのね。

その後、もちろん何もないまま卒業と同時にプラトニックなお付き合いは終わった。


この頃、当然性的に女子には全く興味はない。

もちろん若い男性にも全く興味はない。

かといって、犬や猫、動物にだって興味はない。

僕はいったい何に?誰に?興奮するのだろうか?



でもね…


そこは性欲塊の1時間おきにちんちんカチカチにしてる中学生。今思えばN先生の事を考えて毎日オナニーに明け暮れていたはず。たぶんきっとあの香りを思い出してシコシコしてたんだ…


でもね、でもね、先生に甘えたいというのはあったけれど、N先生とエッチがしたいとか、N先生の裸を見たいとかはなかったはず。しかも、相手はおじいちゃん。自分がホモだのゲイだの理解出来なかった。絶対ホモじゃないって言い聞かせてた。


当時、ゲイというワードは世の中に出回ってなく、保毛尾田保毛男が全盛期の頃だから、ホモ=気持ち悪い=エイズみたいな、超偏見だけど、そんな時代だった。



あー 振り返ればとても悩んでいたんだね。

15の俺。