資本主義は帝国主義を作っただけだった? | chopinのブログ

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先日、、高岩仁さんという方の制作された、「戦争案内」という70分ほどの長さの映画を見る機会がありました映画

 

これから書く内容は、あるブロガーさんのコメント内で書かせて頂いたのですが、ちゃんと自分のブログでも書いた方が良いかな、と思い直しました。

 

明治維新後、西洋諸国から大きな影響を受けた我が国の、今に至るまでの近代化への歴史が映画の中に見て取れます。

 

16世紀のスペイン、ポルトガルによる大航海時代は、南北アメリカ大陸を中心としてたくさんの土地、国が植民地にされました。豊臣秀吉の時代に、ポルトガル人はキリスト教布教と同時にその裏では奴隷売買をして、日本人達が売られてポルトガルへの航海の船に乗せられ。。。この事実はポルトガル人が書いた文書に記載されていて、東京の国立国会図書館でその文献が確認できるそうです。その時代に出されたバテレン追放令は、キリスト教禁止というより、奴隷売買を止めさせるためでもあったようです。日本に植民地は作られなかったものの、力あるものが無力な者をコントロールする奴隷売買はあったのですねえーん 支配する側とされる側です。

 

西洋列強諸国は17世紀以降、世界のあちこちに、協定など無視して暴力的に領土を奪い取り(現地人虐殺もあり)植民地にしました。資源の確保、現地人達を奴隷のように扱いその人力を物にすると、わずかな資本金からでも大儲けが可能になるのは簡単に想像できます。西洋の資本主義は植民地あってこそで、特にイギリスは植民地によって国が潤い、植民地支配と産業革命は車の両輪のようなのだと思います。黄金の国ジパングと呼ばれた日本からも多くの金が外国に流失してしまいました。(日本の金貨の質は金の含有量が多かったために大変貴重で、目を付けられて外国に大量に流れたり、砂金も取れたので、それも、ですねえーん

 

列強諸国がアジアに勢力を伸ばしてくると、日本も危機感からそのやり方を模倣し、肩を並べようとします。朝鮮半島、中国への力ずくの侵攻。安い資源と人力を元に、経済力を付けていった、というのが、19世紀後半からですが、太平洋戦争によりその傲慢な手法も打ち砕かれました。

 

太平洋戦争後まもなく、米国とソ連の朝鮮半島での戦争、朝鮮戦争によって日本は経済が上向き、朝鮮特需と言われる好景気を経験し、その後バブル期に入りました。戦前アジアに経済基盤を作ろうとしたように、安い土地と人件費を求めて、アジア各地に工場が作られました。この映画の後半に21世紀に入ってからのフィリピンが映し出されていました。ある村が日本の企業によって買収され(日本とフィリピン政府の合意はあったはずなので、フィリピン政府はお金を掴まされて自国民達を放っておいた結果なのか??)、村人達は自分達が住んでいた村を追い出され、その近くに掘っ立て小屋やテントを立ててどうにか生活していました。台所の、或いは洗面所の水道を使えなくなった彼らは水を求めて、有刺鉄線で囲われている元の自分達の村に、大人も子供も鉄線をくぐり抜けて入ります。シャワーを浴びに行く子供達の姿もありました。いずれ工場が建ってしまえば、その生活水源すら奪われてしまいます。映画が撮られてから15年は経っていますので、今の状況はどうなっているのか解りませんが、同じようなケースがいまだ起こっている可能性は大いにあると想像できます。国内でさえ、不法に盛り土だの、放射性物質の廃棄問題だの、問題が山盛りで、日常的に問題が起きてますから、ましてや日本から遠く離れた外国では、旅の恥は搔き捨ての精神でもっと悲惨な状態があってもおかしくないと思ってしまいます。村人の人権を求めて声を上げていた代表の女性は、「日本の皆さん、これが現状です、知って下さい!」と訴えていました日本の企業に買収された別の土地でも放射性物質を含む汚染物質の垂れ流しにより、健康被害が出ていました。放射性物質もきちんと処理されずにずさんに川に流れているといった状況の中、生まれてきた子供達に障害が出ていました。

 

戦争が終わって約75年。植民地を作ろうとしていた戦前は無くなったはずなのに、21世紀に入っても経済力という武器で、現地の村人たちは虐げられていました。ニュースでは絶対に流されない実情、これは今でも変わっていない都合の悪いことは、国民の目に触れないようにされます。「日本のやり方は帝国主義です!」と訴えていた代表のフィリピン女性に誰も反論は出来ないはず。

 

資本主義は我々の生活のレベルを確かに上げてくれたのかもしれませんが、その裏で苦しむ人を生み出すのでは何の意味があるのだろう。この思想が正しいと信じてこのまま進んでいくことに、大きな疑問を感じてしまいます。力関係、支配する側とされる側。よく言われるグローバル化とは地球全体で良くなっていくようなイメージですが、力関係をもっと強調していきます。戦前で日本の帝国主義は終わった、なんてとんでもないことで、今も経済力を盾にして、発展途上国で傲慢なほどに現地の人たちをコントロールしている、こんな帝国主義が生きています