敬くんは、鬱の症状が出なければ、みんなと同じように、学校に行き、友だちと遊び、元気に歌を歌ったり趣味の絵を描いたり、アニメや映画を見たり、洋服のリメイクをしたりして、何もなかったかのように過ごします。私たち家族もそれに合わせて過ごしますが、決して腫れ物扱いのようにはしません。病気について話題にしないわけではなく、日常の会話で「ちゃんとお薬飲んでね〜」とか通院したら「先生なんだって?」とか「次いつ病院いく?」とか、ほかの会話と同じテンションで話します。
元々私との親子関係は良かった方だと思います。好きな子の事などを彼の方から話してくれたり、思春期にしては何でも話す方でした。
とくにご飯については「今夜は◯◯食べたい」と、よくリクエストしてくれました。

具合が悪くなるとすぐに分かります。全く口をきかなくなります。こちらが質問しても答えないし完全に無視されます。夕飯は何にするか聞いても無視です。そうなるとこちらも具合が悪いと察して話しかけなくなり、彼が話しかけてくれるのを待ちます。


でもこのときに部屋にこもる時間が長いと危険です。
リストカットしてしまうので、1時間に1回くらいは部屋をノックして「大丈夫〜?」「何かあったら言って〜」と声をかけます。
もちろん返事はありませんが、私が常に心配していること、いつでも話を聞く気持ちがあることに気づいてもらう必要があります。

なぜなら孤独を深く深く感じてしまったら「自分なんていらない」になってリストカットしてしまうからです。

こういう時私は、彼には平気そうな声色で声をかけますが、じつは私の心臓はずっとハラハラしていて胃がぎゅぎゅぎゅーっと握りつぶされるように痛くなってきます。心配で心配でしかたなくて敬くんのこと以外何も考えられないし、腕を切るんじゃないかと不安すぎて涙が溢れてきます。



あんまり不安なときはまだ仕事で帰宅していない主人にLINEして、何度も大きく深呼吸して、大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせます。

うっかりしていたら私まで鬱になりそうなレベルです。



そんな母の苦労も知らずに彼は、やるときはやります。



やるのはいつも夜中。

次の日の朝気づくのです。

廊下にポタポタポタと血の跡。。。