妄想しています
閲覧ご注意ください
アメンバー様の募集は
今週12日(土)です
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「櫻井」
湿った重苦しい空気を
断ち切ったのは
智の美しい声だった
櫻井さんに揉みくちゃに
抱き締められたまま
ゆっくりと話し始めた
「お前が俺のため、会社のために尽力してくれてたのはわかってるし、感謝してる」
「…………」
「俺の元で働きたいと言ってくれた事、0から仕事を覚えて、誰よりも努力してくれた事、本当にありがたく思ってる」
「…………」
「自分の睡眠時間を削ってまで、俺の身の回りの事まで殆ど全てを世話焼いてくれて……」
「…………」
「そして……全力で愛してくれた……」
「…………」
「感謝してる……」
「…………」
「ありがとう………」
「智くん……」
櫻井さんの顔が上がり
再び至近距離で
見つめ合う2人を見て
俺はそっと智の手を離し
少しずつ後ろに下がった
威勢良く櫻井さんに
会いに行くって言って
今こうしてここにいるけど
見たことのない2人の雰囲気と
見てはいけない2人の雰囲気が
あまりに甘くて
来たことを後悔した
「お前が俺の元から離れていって、ある日突然“今後は櫻井とお呼びください、社長”なんて言われて……」
「…………」
「冷静なお前を見て、大人なふりをして“わかった”って返事をしたけど、正直キツかった」
「…………」
「秘書としては優秀過ぎて、淡々とその仕事をこなせるお前が意味わからなくて……」
「…………」
「笑わないお前を見るのが辛くて」
「…………」
「ああ…本当に終わったんだって……言い聞かせて」
「…………」
「納得しないまま……社長と秘書に戻った」
「…………」
「お前が大人過ぎて……苦しかった」