妄想しています
閲覧ご注意ください
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2年生になると
前年度の全国模試の
実力別にクラスが分けられ
俺は真ん中のクラスに入った
相変わらず毎日
美術準備室に足を運ぶ
美術準備室がある
西棟は放課後は
ほとんど人がいない
すごく静かで怖いくらいだ
ギラギラとした日差しが
窓から容赦なく廊下を照らし
美術準備室に向かう途中
何度か額の汗を腕で拭った
教科の先生達は本当に忙しいらしく
今年度はどの学年の副担任にもならなかった
大野先生はますます居場所が
なくなったって嘆いてる
だからここにいる確率も
すごく高いんだ
コンコンコン……
「先生」
いつもの通り
先生の返事は待たずに
勢いよくドアを開けた
「お、二宮……」
奥から聞こえてくる
先生の少し鼻にかかった
低くて優しい声
「先生……先生……」
僕は先生に会えるのが楽しい
先生の話を聞くのが楽しい
先生に話を聞いてもらうのが嬉しい
ここは、僕の、特別なんだ
「………え、あれ」
奥の机に近づいていくと
先生とは別にもう1人誰かいる
見たことない…
生徒……?
誰……?
「ん、どした?」
「先生、えっと……」
「ん?」
「あの……」
その人は僕の方をチラッと一瞬見ただけで
その後は僕の存在は無いもののように
美術の課題に手を動かし続けている
「智先生、終わりましたので、帰りますね」
「ん、お疲れさん」
「貴重なお時間を頂き有難うございました」
スッと立ち上がり
僕の目をジッと見てから
その人は美術準備室を出て行った