さて

ひとりで沖縄に渡った信繁

夕刻の国際通りを徘徊します

人見知りの信繁は一人で居酒屋さんに入ることもできず夕御飯を調達するために国際通りからちょっと外れた場所にあるスーパーで買い物をしました

そして買い物袋をぶら下げてホテルに戻ろうとペタペタ歩き始めたとき

「あの~すいません」

と正面から声をかけられたのです

うつむきがちに歩いていた信繁が目を向けると

リュック背負って
ノースリーブ
なんかハットっぽい帽子かぶって
一眼レフ首からぶら下げた

ザ・観光客

といった感じの女の子がいました
年は20前後でしょうか?
中肉中背のどこにでもいる女の子という感じでした

信繁は咄嗟に声が出ずに

はい?
ほい?
へい?

の丁度真ん中くらいの音で返事をしました

その子は
自分の予約したホテルの場所がわからないとのことでした

ひねくれものの信繁は

そんなんホテルに電話して聞いたらよかろう

と思いましたが
そんなことを言う勇気もなく

地図を見せてもらいました

ここから信繁の泊まっているホテルまでの途中にあるホテルでした

そのことを女の子に伝えると

ついていっていいですか?

と言ってきました

断る理由もないので一緒に歩き始めました

この時点で信繁は
もしかしたら仲良くなれるかも?

と下衆な考えを持ち始めます

女の子のホテルまでは5分もかからない
積極性が大切だ!

いろいろ質問しました

ひとり旅で今日着いた
ホテルにチェックインしようとしたら迷った
地元の人っぽい人に道を聞こうと思った
スーパーなら地元の人が来ると思った

とのことでした
そして

明日は古宇利大橋というところに行こうと思っているがバスに乗れるか不安

と言っていたので

信繁は
ちょうど自分も北の方に行くつもりでレンタカー借りようと思っていたから、もしよかったら乗っていくか?

と聞きました

そしたら

え?いいんですか??

との返事

警戒心ないんかーい!

となりましたが

その場で連絡先交換して
翌日の大体の時間を約束してその日は解散


信繁ソッコーでレンタカーを予約しました
確かオリックスレンタカー

翌朝
レンタカーを借りてから
その子に連絡すると
もうホテル前で待ってる

とのことですぐに迎えに行き合流しました

そこから一気に北上して

いざ古宇利大橋へ





曇りー!

せっかく来たのに!

ってその子と二人でゲラゲラ笑いました

移動する車の中でびっくりなことが判明しました

その子と信繁

なんと
住んでる市が一緒だったのです!

県が同じ
くらいならそこまでびっくりしないのですが、さすがに同じ市はびっくりして、そして親近感がわきました

古宇利大橋の後は
お城と


万座毛を見て


那覇に戻って解散しました


その後の日程は別々に過ごしましたが

地元に戻ってからもその子とはちょくちょく連絡をとり
ご飯に行ったり
近場に遊びに行ったりしていました

そして

半年くらい経って

どこか旅行でも行きたいねって
話になって
3月に旅行に行くことになりました

ふたりで
どこにしようか
決めて

日程も場所も決まって
1週間後に出発

と言う日に

あの震災が起きました

信繁とその子が行こうとしていたのは東北のある県でした

信繁は落ち着いたタイミングで
その子の無事の確認と旅行のキャンセルを伝えました

その子も当然納得し

お互いなんともなくて良かった
と言いあって

そして
なんとなく
理由もなく
その子と信繁は疎遠になりました

特にオチの無い話ですが
以上です

今ではその子の名前も思い出せません
でも
起きたことはこんなに鮮明に覚えているもんだなぁとびっくりしています

写真のお城も
今帰仁城なのか勝連城なのか中城なのか思い出せません笑

あの子は元気にしてるだろうか?
もう結婚してるのかな?
あの子と結婚していたら運命的だったな
婚活じゃなくてそんな結婚もありだったな

なんていろいろ考えちゃいました

おわり