今回のテーマは、「街区表示板の変遷」だ。

もちろん、住居表示が行われた1960年代から設置されている。普通の自治体がそうであったように、当初はホーロー製が多く、そのうちアルミ打ち抜き式に変わっていった。

この時代は、単純に町名と街区番号のみの表記だった。このような形である。

   

全国的によくあるやつだ。パワポでの再現になるので、フォントがうまく再現できていないが、「普通によく見かけるアレ」ということで考えてください。

 

さて、最初の変化が起こったきっかけについて。まず、1984年に、○○町××で表記する地区に初めての住居表示が行われた。

とはいえ、その第1号である鶴牧団地は「魁町鶴牧」で4文字だけだったので、普通通りの街区表示板が置かれた。

…で、その次に行われたのは1990年、「魁町おれんじが丘n丁目」だった。この時、魁町を省略して街区表示板が置かれたのだ。

 

さて、この少し後からの新規施行および更新分から、街区表示板が長くなった。そして、自治体名が表示されるようになった。

また、同時に、ふりがな表示にも対応するようになった。

     

 

この自治体名表示の開始にはもう一つ意味があったのだ。それは、○○町××形式の町名への対応だった。自治体名と広域町名の二行分かち書きにより、細かい町名を大きく表記することになったのだ。

しばらくはそれでやっていたが、次の変化が起こったのは21世紀に入った頃だった。

 

2001年頃、住居表示は住民の反対で断念していた高宮市街の一部で、「町名も表示されていない状態で、案内上不便さが大きいため、せめて町名を表示するなどの利便性を確保してほしい」という要望があり、町名表示板が設置されたのだ。

このような、赤色の町名表示板を設置したのだ。住居表示と全く同フォーマットであり、番号欄が「空欄」となっている。

この頃から、これまで右肩に表記されていたふりがなとともに、左肩にローマ字表記が追加された。全国的には、自治体名を横書きにして、ローマ字を下部に横書きで表記するのが多いが、高宮市の場合、郊外部の「広域町名との二行分かち書き」をしている都合で、それができず、この表記となった。

ちなみに、私が確認している限り、右にふりがな、左にローマ字の形式を採用しているのは、現実では富士吉田市しかない。ほかにあったら教えてください。

そして、この頃から、中心部の住居表示済みの地区は赤の街区表示板に更新されるようになった。

 

次に基本カラーがもう一色増えている。それは2004年だった。

きっかけは、この年に編入された白富町・春若町の住居表示実施地区が緑色の街区表示板だったことから、以後、郊外の「広域町名」地区は旧市内(魁・若菜・昭和)であっても緑色の街区表示板を設置することになったのだ。

ということで、この年、その第一号である魁町やまとが丘の住居表示が実施され、以後、更新時に該当の地区の町名は緑色に更新されるようになった。

これで、高宮市の街区表示板の形はほとんど出来上がった。あとは、最近主流のアルミ転写式になったぐらいだ。

基本カラーは赤と青と緑。赤は旧市街、市制時の高宮市の区域で使用される。緑は○○町××の形式で表記される町で使用される。青はそれ以外で使われる。

そして、上に自治体名と緑のみ広域町名、右にふりがな、左にローマ字、下に街区符号(未実施地区は空欄)。

こういう形となった。

 

そして、この頃から、町名設置が行われる場合には、住居表示を実施しない町にも町名表示板が設置されるようになった。これは、中心部の赤い表示板が契機となった。そうして、2021年までには、市内の全部の町に町名表示板が表示されるようになった。

 

     

2020年の中心部の地番整理が行われた際には、街区番号を記入する欄に、通り名(正式な扱い上は小字)が表示されるようになった。

 

 

というのが、私が最後にやりたかったことです。最後に、各色の街区(町名表示板)の見本をいくつか提示して、「半」架空都市・高宮市を完結としようと思います。