朝日新聞デジタル Yahoo!ニュースより引用

指揮者の小澤征爾さん死去、88歳 戦後日本のクラシック界を牽引

朝日新聞デジタル

  • ポスト
  • シェア
  • LINE


子どもたちに温かなまなざしを向ける小澤征爾さん=2013年、大原れいこさん提供

 世界の楽壇の第一線に立ち続け、戦後日本のクラシック音楽界を牽引(けんいん)した指揮者の小澤征爾(おざわ・せいじ)さんが6日、心不全で死去した。88歳だった。葬儀は近親者で営んだ。後日、お別れの会を検討しているという。

【写真】米ニューヨークのカーネギーホールで、サイトウ・キネン・オーケストラを指揮する小澤征爾さん=2010年
 1935年、中国・瀋陽(旧奉天)生まれ。ピアノに才能を示したが、ラグビーで指を痛めたため指揮に転向。高校時代に作曲家の山本直純、名チェリストでもあった斎藤秀雄のもとで指揮の勉強を始める。桐朋学園短大を経て59年に渡欧し、仏ブザンソン国際指揮者コンクールで日本人初の優勝を果たした。

 カラヤンに弟子入りし、61年にはバーンスタインにも才能を認められ、ニューヨーク・フィルの副指揮者に。ウィーン・フィルやベルリン・フィルなど世界の名門楽団と共演を重ねた。武満徹が和楽器とオーケストラの融合に挑んだ「ノヴェンバー・ステップス」の67年のニューヨーク初演は世界的な話題となった。

 サンフランシスコ交響楽団、カナダのトロント交響楽団を経て70年、米タングルウッド音楽祭の芸術監督に。73年から29年間、ボストン交響楽団の音楽監督を務めた。2002~10年にはオペラの最高峰、ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めた。02年には日本人指揮者で初めてウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートに登壇した。

朝日新聞社