自分もRakuten最強プランを固定回線代わりに使っています




ITmedia Mobile Yahoo!ニュースより引用

「Rakuten最強プラン」を固定回線代わりに使うには? 運用のコツを伝授!

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筆者の義実家のある地域では、2023年1月31日をもってYahoo! BBのサービスが終了しました

 筆者の義実家で使っていた、ソフトバンクのADSLサービス「Yahoo! BB」が2023年1月31日をもって終了しました(※1)。そのことに伴い、義実家で使うインターネット回線をどうするのか検討を進めてきましたが、最終的に楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」を使った運用に切り替えることにしました。

【写真】義実家での運用の様子
 今回の「5分で知るモバイルデータ通信活用術」では、回線の乗り換えに当たってどのような検討をしたのか、そしてどのようにネットワークを構築したのかご紹介します。

(※1)実際の終了時期は地域によって異なりますが、2024年3月31日までに完全に終了します

まず考えたのは「ワイヤレスルーター」

 ADSLに代わるインターネット回線として、まず光回線を検討することが多いと思います。確かにそれも良いのですが、今回の義実家では、まずモバイル通信(携帯電話)回線を使ったワイヤレスホームルーターの導入を検討しました。

 理由は幾つかありますが、まず義実家では高速かつ超低遅延な通信は不要であること、初期費用が安く済むこと、そして解約する際に手数料類がほとんど掛からないことが挙げられます。特に初期費用という面では、工事費が一切かからないことも魅力です。

 そして最終的にたどり着いたのが、Rakuten最強プランです。

 「スマホやタブレットで使うためのプランじゃないの?」というツッコミがありそうですが、このプラン自体はスマホやタブレットでの利用に限っている訳ではなく、≪このプランで使えるモバイルルーターも販売されています。その上、容量の上限いっぱいに使っても、月額料金は3278円(税込み、以下同)で済みます。義実家の通信状況を鑑みると、通信量が3GB~20GBで収まる月もあるため、計算上は月額料金が2178円で済む月も多いです。

 同じ楽天モバイルでも、据え置きワイヤレスホームルーター向けの「Rakuten Turbo」があるのですが、こちらは月額4840円とRakuten最強プランと見比べると割高です。キャンペーンを適用することで、契約当初の1年間は月額1980円で利用できるものの、事務手数料(3300円)と端末代金(4万1580円)は別途必要です。

 サービスに不満を覚えて解約することになった場合の“出血”が少ないのも、Rakuten最強プランの強み――ということで、Rakuten最強プランをADSL回線の代替に据えることにしたのです。

 次のページでは、義実家でRakuten最強プランをどのように運用しているのか紹介します。

義実家で「Rakuten最強プラン」はどう運用しているのか?

 義実家では、楽天モバイルが自社ブランドで販売しているモバイルWi-Fiルーター「Rakuten WiFi Pocket」と、ASUS製のWi-Fiルーター「RT-AC68U」を組み合わせて使っています。

 RT-AC68UはUSBポートを備えており、データ通信端末(USBモデム)やAndroidスマートフォンやiPhoneを接続して、そのインターネット接続を共有することもできます。「なぜ直接WiFi Pocketで通信しないのか?」という思うかもしれませんが、この方法なら有線LANでしか接続できない機器もインターネットに接続できるようになるのです。

 なお、「Rakuten WiFi Pocket」にはセキュリティー上の脆弱(ぜいじゃく)性が報告されており、サポートも終了しています。これから同じ用途でルーターを用いる場合は、後継機種である「Rakuten WiFi Pocket 2B」あるいは「Rakuten WiFi Pocket 2C」を使うことを強くお勧めします。

 この組み合わせは、以前に引っ越しをした際に実践した組み合わせとほぼ同じです。

運用は「ワイヤレスホームルーター」の方が簡単だが……

 ただ、義実家では、トラブルがちょくちょく発生しました。実際に現地で細かいチェックをしたわけではありませんが、大半は機器の再起動(電源の入れ直し)をすれば直るのですが、こうした復旧操作を行ううちに、Wi-Fiルーター側の設定が初期化されてしまうトラブルも発生しました。

 このようなトラブルを避けるには、ある意味でトリッキーともいえる構成ではなく、素直にワイヤレスホームルーターを導入することが一番です。先述したRakuten Turboには専用機種である「Rakuten Turbo 5G」もあるのですが、本機はAPN(データ通信の接続先)を変更できないため、事実上Rakuten Turboの専用モデルです。単体で入手できたとしても、Rakuten最強プランを含む他の通信サービスと組み合わせて使うことはできません。

 よって、SIMフリーのモバイル通信対応ルーターが必要なのですが、5G対応の製品は選択肢がそれほど多くありません。

 そんな中でも、比較的安価に入手できるのが、au(KDDI/沖縄セルラー電話)やUQコミュニケーションズが販売しているワイヤレスホームルーター「Speed Wi-Fi Home 5G」の中古品です。

 Speed Wi-Fi Home 5Gシリーズは、対応バンド(周波数帯)の問題さえ乗り越えられれば、APNを設定することで他キャリアのSIMカードでも運用できます。中古ショップでの購入となる上、そもそも他キャリアの回線(SIMカード)と組み合わせての利用は保証対象外なのですが、実売1万円程度で購入可能です。

ドコモの「home 5G」も考えたが……

 義実家から直線距離で約100mの場所には、ドコモの5G基地局が設置されています。そのこともあって、義実家では屋内でもドコモの5Gが非常に高速です。そのため、ドコモのhome 5Gを固定インターネット回線代わりに導入することも検討しました。ただ、そこで頭をよぎったのが、ここ最近のドコモ回線の通信品質です。

 home 5Gの料金プラン(月額4950円)には契約期間の縛りはなく、オンライン契約すれば事務手数料(3850円)も不要です。しかし、月額料金の割引「月々サポート」が、ルーター本体(home 5G HR02)を36回払いで購入した際と同額(月額1980円)に設定されており、プランの組み立てが3年間使い続けること前提となっています。

 現状のドコモ回線の状況では、この条件で契約するのは難しい――そう考えて、今回は契約を見送った次第です。通信品質の悪化がなければ素直にhome 5Gを契約したと思われます。

 ドコモの品質問題が早急に解決されることを強く願っています。

固定回線が使えない場合も活躍する「Rakuten最強プラン×ルーター」

 ADSLサービスが終了したことをきっかけに、義実家は「Rakuten最強プランとホームルーター」の組み合わせでインターネット回線をまかなうことにしました。この組み合わせは、管理者の都合で固定インターネット回線を引けない賃貸住宅や、月によって通信量が大きく変わる環境でも便利に使えます。

 筆者は別の拠点でもこの組み合わせを導入しています。この拠点はまさに例示した条件に当てはまっていて、固定インターネット回線が引くに引けず、引いたとしても高い月額料金を毎月払うのも厳しい場所でした。

 もっとコストを削減する方法としては、KDDIと沖縄セルラー電話の「povo2.0」を契約して使う方法もあるのですが、都度適切なパッケージを購入することの手間を考慮した結果、Rakuten最強プランとルーターの組み合わせとした次第です。

 今回紹介している、Rakuten最強プラン×ホームルーターの組み合わせは、“王道”の使い方ではないかもしれません。しかし、「固定インターネット回線はほしいけれど、フルスペックの使い放題まではいらない」という場合にちょうど良いサービスは意外とないものです。データ通信専用でも、他のキャリアでもRakuten最強プランみたいなプランが出てくれるとうれしいのですが……。

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