MAGIC HOUR

Magic Hour: 太陽が沈んだ後、まだ残光があたりを照らし、
この世のものとは思えない美しい光と色に包まれた世界。
ほんのわずかな時間の自然のマジック。
東の果ての海岸で
タスマニアの南の入り口、Hobartに降り立ち、
北の入り口、Launcestonで、日本から参加の旅の仲間たちと合流。
ツアーのオーガナイザーNahokoとArminと7人の仲間を乗せたバンが、
島の東のBichenoにたどり着いたのは、太陽が西の山稜にもうすぐ姿を隠してしまいそうな時間。
部屋割りが決まり、荷物をコテージに置いたら、
急いで裏庭を抜けて海岸に向かった。
宿泊したSandpiper Cottagesは、オリーブの畑と芝生が広がるたっぷりの敷地に
3つのコテージとオーナーの住む母屋がぽつん、ぽつんと建つ。
白い砂のビーチとは、境界もわからないほど近い。
海にいちばん近いコテージの前をすり抜けて、少し奥まで踏み込むと
白い砂が丘のように始まり、その先にどこまでも続く広い穏やかな浜が広がる。

出迎えてくれたのは、モモくらいのサイズできれいに割れる波。
足元では、白い小麦粉のような砂が、きゅっ、きゅっと鳴いている。
遠くに、サーファーの姿がふたつ、遠すぎてよく見えない。
広い浜で散歩しているのは、両手の指の数もいない。
10分もしないうちに、お日様は西の山に隠れ、
空の色が淡いピンクに染まった。
みるみるその色が濃くなって、波の寄せる鏡のような砂浜に映る。
そして、空気がふっと軽くなって、MAGIC HOURが始まった。

空と海がローズ色と水色、淡いグレーに染まり、
その移り変わりから目が離せなくなってしまった。

振り返ると、西の山稜に日の名残。
夜になって、
満月から3日目だったから、
月明かりの中、ビーチまで少し歩いた。
砂浜に影をおとしつつ、空を見上げると、
空一面に雲がふわふわと幾重にも連なり、
そこから、ぽっとライトを照らしたように、
お月様が明るい。

浜辺にいるのに、波の音が消えた。
ドームの中にいるような、安心感が心を満たす。
空と海と太陽と月。
すごくシンプルに、地球のまるさを体感している。
東にまっすぐに向いた海岸といえば、
朝日を拝まずにはいられない。
6:30、アラームで目覚め、30秒で着替えて浜辺へ飛び出す。
自然を相手に遅刻したことはない。波もお日様も待ってはくれない。

朝のMagicHourは、すでに始まっていた。

西の空には、あーんなに遠くに、昨夜のお月様が。

浜辺には先客が。その姿も自然の一部、可愛らしい生き物。

水平線の雲をおしのけるほどの強い光で朝日が現れた。

あまりの美しさに、波打ち際でうっとりの私。
遠い星を思う、ペンギンか?!