見た方がいいよ!じゃなく、盲信しないようにしようって話です。
おさらいすると、次の式で表され、会社が1年で生み出した利益に対し何倍の株価がついているか?を示す指標がPERですね。
企業が出した利益に対し、株価がそれなりに上がっているのか、上がらずに放置されているのかを見て、割安か否かを判断するのに使われます。
1株あたりではなく、会社全体の利益で見るなら、時価総額(株価×発行済み株式数)を当期純利益で除した値とも言えます。
これは将来を予想して、どれだけ利益を生めるか?という感覚的な値である期待値を反映するもので、最近では半導体やIT系がぐいぐい期待されて、利益に先行し株価が伸びているはずです。
私たちはPER年分の利益を企業に期待し、実際に出している利益より高い値段で株を買っています。
なのでこれから収益力が伸びそうな業界を調査するには、「業界ごとの平均PER」は使える指標とも言えます。
傾向として知るのに使えるだけという感じ。
業界平均PERって実はあんま意味ない
本当にざっくりなため、個々の企業に投資するときの判断として、
この企業は、属する業界平均PERよりまだ割安だから買い
という使い方は私はしません。
そう買いてある投資本、結構多いんですけどね…
なぜなら、同業種内でも優秀な企業のPERは高くなり、そうでない利益成長率の低い企業は低くなるのは当たり前なためです。
同業種内でも、企業戦略が違えば、収益力の成長も全く違ったものになります。
腐っても成長業界だと言って「割安だから」という理由で投資していると、競争力が強いだけに淘汰されてしまう可能性すらあります。
結果として成長力のある業界の平均PERが期待され高くなるだけであって、期待されない企業の株価は下がりPERも下がります。
業種平均と比べて割安だから買われ、買った株価が上がりPERも上がるのなら投資はとても簡単なものになりますが、実際そうではありません。
PERは個々の企業価値によって決まります。
そしてその企業価値を見極めるのに、企業の資金の使い方、事業の戦略を見る必要があるわけです。
PERを用いた投資判断
ではPERは見ないのかと言えばそんなことはなく、私は当該企業の過去時点でのPERと比較し、高値づかみでないかのチェックをするために使っています。
自分で計算しても良いですが、ぱっと見でわかりやすく愛用してるのはSBI証券のこのページ。
青が株価、ピンクがPERです。
昔はこういうのなかったそうなんですが、株価とPERの推移が一目瞭然で気に入っています。
よく知られている企業は即折り込まれ、株価にPERが張りついていることも多いです。
冒頭のPERを表す式の通り、本来株価が利益以上に上がればPERもつられて上がっていきます。
この場合、直近の利益や来期あたりの予想利益が思いのほか良かったので、これからもどんどん収益を上げていくだろうと予想され、今の実力以上に買われてPERも一緒にくっついていくという現象が起きていると思われます。
株価と利益が同時に伸びれば、PER推移はヨコヨコになるはずです。
ですが逆に、株価に反して、PERは下がるケースがあります。
推し企業のチャートです。笑
22年11〜12月でPERと株価が入れ替わり、X状の推移を描いています。
この場合も上の式に当てはめると、
今市場が示している株価(投資家たちの意見)から見ると、「今後たくさん収益を上げることは期待されない」と上げている利益に対して安値で放置されているか、
今の株価に対したくさん利益を上げているのでPERが下げまくっていると考えることができます。
一概にX状だから買いというわけではなく、今は特別割安らしいけど、収益基盤が整っており今後一層収益を上げてくれるだろうか?という思考を挟むことが必要になってきます。
PERってめっちゃ見られてる指標だけど、過去値と比べてる人、あんまいないよなーと思って書きました。
割安成長株探しの一助になれば幸いです