お稽古を始めたばかりのリサさん
「先生のご実家はお菓子屋さんですか?」
とお世辞を似て問われる
月の兎
そういえば
お点前がなかなか覚えられず
泣きながらも一所懸命に学ぶ生徒の様子が愛おしくなり 私も手作りのお菓子を作るからと約束をした日を昨日のように思う
気持ちに応え私の気持ちも伝えたい
それは 今でも変わらない
そのいたいけな子も母となった
木槿も水引きも残花
秋も近くに来ているように
あれから7年が経ち
練り切り 薯蕷饅頭 錦玉等
季節のお菓子をただひたすら稽古にと
数えてみれば8000個あまり
今年の初釜の主菓子から
稽古が全て終わり 残る陽子さんは
10年前の9月9日 の日
門をくぐり弟子となりました
「本日は重陽で菊の節句です
貴女のお名前も陽子さん ご縁があったのね」と私から言われたのだと言いました
ゆたゆたと月日は流れ逝く