泣いても笑ってもこの事実は変わることはない。




数日前、ついに自分の勤務先である介護施設にて職員さんのコロナ陽性者が1名出ました。


1人陽性者が出るだけで緊迫する現場職員たち。


ひとまず職員さんと利用者さん全員検査を受けることになり、その結果、幸いにも感染者は先に出たその1人に留まっている。


面会も完全にお断りさせていただき、職員も細心の注意を払いながら遠出等せず、不要不急の外出を心がけていたのにもかかわらず、感染してしまった。


でもこれは言ってはいけないことかもしれないが、正直今のこの世の中の流れをみているといつどこで感染してもおかしくなくて、むしろ感染しないことのほうが奇跡なんじゃないかと。


そう、疑問に思う。


行動制限のないお盆休みに、施設の周りを走る車は皆、県外ナンバーばかり。


施設関係者だけがいくら不要不急の外出を心がけていたとしても、世間やまわりの家族、友人がその流れに沿っていないのなら、この決まり事に対して予防の効果は薄いと思われる。


実際、先の1名のコロナ陽性者に関しては、家族からの感染だという。


自分たちひとりひとりがいくら予防をしていても、意味がない。


そう思うと、この不要不急の外出になんの意味があるのかと、改めて問いたい。


陽性者が悪いわけじゃない。


陽性者だって、感染したくてしたわけではないのだから。


我々、介護施設の職員ひとりひとりにだって、家族がいる。


施設側は『完全に防げ』と言う。


我々は、神でもなければ、仏でもない。


常に不完全な世の中の中で、完璧に感染を防げる方法があるのなら教えてほしい。


そして、施設側にも『完璧に防げ』と、強要しないでほしい。


我々も頑張ってる。


人気のない時間帯を見計らって夜遅くに行動したり、集団で集まる機会もお断りをし、旅行に行くことも夢のまた夢だねと呟き、現場ではつねにマスクをし、ただでさえ荒れてる手はアルコール消毒によりさらに荒れ、そのわりじゃない、消毒が染みるからとプラスチックの手袋をはめて介助にあたろうとすれば「利用者さんに寄り添った介助じゃない。それは不適切な介助だ」と言われる。


自分だって、本当は東京に行きたい。


大阪にも行きたい。


大好きな一人旅にも行きたい。


けども、ここ数年我慢して、我慢して、我慢して。


我慢を強いられ苛ついてる職員さん達を目の前にしても平常心を保つように努力して。


元気いっぱいの笑顔を振りまき。


そして、自分自身のストレスも自分なりに解消出来るよう努め。


最終的に、疲れ果てて自宅警備員である猫さんに当たり散らす始末。(主におなかわしゃわしゃの刑)


施設側からのプレッシャーは収まる気配もなく、今回の陽性者が出たことによりさらに厳しい課題が突きつけられた。


気持ちはわからなくもない。


大切な利用者さんというひとりひとりの命を預かる身としてはもちろんそれらの課題は必要なことであり、間違ってはいないのかもしれない。


だが、我々、介護職員も人間だ。


これ以上どうしろと?


これ以上どう我慢しろと?


これ以上どう気をつけろと?




もう、勘弁してくれ。