連日のように、ニュースや新聞などで取り上げられている新型コロナウイルスの影響による『医療崩壊』の『現状』ではあるが、我々介護士もまた、『介護崩壊』の危機に直面している。

 

 

今から書くことは、新型コロナウイルスとはまた、まったくの別物ではあるが、どの介護施設でも起こりうるのではないかと考えると、気が気ではない。

 

 

以前の記事で、急に新たな介護利用者さんを受け入れた記事を書いたが、再びその話題に触れようと思う。

 

 

というのも、実はまた、今日も急遽新たな利用者さんが一人増えたからだ。

 

 

完全に定員オーバーなうえに、さらに今月一人、介護職員さんが辞めてしまって、ただでさえ人手不足なのに輪をかけて、尋常じゃない人手不足に陥っている私の職場の施設。

 

 

人手不足と知りながら、現場では、『大変!大変!』と日夜、職員さんが忙しなく走り回っている現状の中、新たな利用者さんを次から次へと受け入れるなんて、上は一体何を考えているんだ。

 

 

といったような記事を書いたことは、まだ記憶に新しいが、全くもってその通りなのではないかと、今一度、自身で納得している。

 

 

これではまるで『共倒れ』

 

 

すなわち『介護崩壊』へのステップを着々と踏んでいることは、間違いないといえるだろう。

 

 

 

 

一施設を経営していくということは、容易ではない。

 

 

頭の悪い私でもわかる。

 

 

なんといえば良いのか、いい言葉が見つからないが、上に立つものと下にいるものと、決して平等な立場になることなど、無いとは分かっているし、分かり合えないことも分かっている。

 

 

だからこそ、意見する者もおらず、みんな何も言わずに辞めたり、諦めおとなしく働いている。

 

 

だが、現場の者は皆知っている。

 

 

「結局は『利益』のことしか考えていない。

 

物事を『ビジネス』でしか考えていない」という事を。

 

 

それはそうだ、一人でも多く利用者さんを受け入れればその分儲かることは違いない。

 

 

そんな考えでしか物事を見ることの出来ない上の方々を……、

 

 

 

……心底かわいそうだと思った。

 

 

 

と同時に、考え方次第ではもっといい施設にだってなれると思うのに……。

 

 

もったいない。もったいない。もったいない。

 

 

 

 

「あそこの施設で働いてみたい」

 

 

そんな言葉を、一度でも聞いたことがあっただろうか。

 

 

「あそこの施設では働きたくない」

 

 

聞こえてくるのは悪評のみ。

 

 

それでも気づかず、今日もまた一段、明日もまた一段と、『介護崩壊』の階段を登って行く。

 

 

いつ崩れるとも知らぬソレは、ゆっくりと、静かに崩れゆくことだろう。

 

 

明日は我が身。

 

 

崩れゆくその日まで、この施設の利用者さんの笑顔を守り切れますように。

 

 

我々は、プライドを持って働くのである。

 

 

利用者さんひとりひとりの、笑顔のために。