いま地球の周りには各国が打ち上げた人工衛星が無数に飛び回っている。
ほとんどが平和目的か偵察目的であるが、
そのなかにICBMが混じっていないという保証はどこにもない。
それが人工衛星なのかICBMなのかは、
打ち上げた国にしかわからない。
宇宙軌道に乗ったICBMが敵地上空を計画的に素通りすれば、
それは人工衛星にしか見えない。
周回軌道をまわっているうちに、
本国から「落下着弾せよ」の暗証番号が発信されれば、
そのまま敵の大都市に落下する仕掛けになっているのかもしれない。
何時、核ミサイルが宇宙から落下してくるかわからない状態で、
世界中が暮らしているということもありえる。
攻撃型よりも、報復型のICBMのほうが怖い気がする。
敵地上空通過の度に本国に対し落下着弾の可否を問い合わせ、
「不許可」の命令を受けている仕組みなのかもしれない。
この交信が磁気嵐や電波妨害などで途切れてしまった場合、
「司令部が沈黙した、
わが国は敵の先制攻撃で壊滅した」とICBMが判断し、
コンピューターの落下着弾モードが作動してしまうことになる。