ここにぼんやり立っていれば、
必ず予言者はやってくる。
ここを通るしか道がない。
他の道は全部行き止まりになっている。
予言者と出会って何を話すわけでもない。
予言者を笑うつもりもない。
ただ、ここで予言者を見送る義務のようなものがあった。
おれは、偶然ここに居たふりをする。
予言者は信者たちを引き連れ、
おれを無視して通り過ぎ、
そして、血まみれになる道を進む。
その道を行けば、
するどい爪をもった、
ネコ科の植物のひしめく森に迷い込む。