蒲郡のペットと自然を守る会エデン(旧犬猫情報「猫ときどき犬」)

蒲郡のペットと自然を守る会エデン(旧犬猫情報「猫ときどき犬」)

人もペットも野生動物も生き生きと暮らせる蒲郡(がまごおり)を目指して、ペットの適正飼育の普及啓発や環境保全活動に取り組んでいます。

蒲郡のペットと自然を守る会エデン代表の松山陽子です。

 

私たちが把握している蒲郡市内外の野犬情報と今後の対応について、現時点のものをまとめました。

 

野犬の供給源になる原因(餌やりと他地域からの流入)を防ぐ「蛇口を閉める活動」を主に進めてきたいと考えております。
 

様々な分野の方々と話し合いながら、その地域で暮らす人に寄り添いながら、解決への道を模索してきたいと思います。




目次

1.    蒲郡市の野犬の現状

2.    野犬に伴うリスク

3.    対策


   緊急的対策  
    ★1. 餌やりしない
    ★2. 他地域からの流入防止


      同時に行うことが望ましい対策   
    ●野生下での野犬の子犬の早期発見・捕獲
    ●飼い犬の不妊去勢手術の徹底

      (備考:不妊去勢手術のメリット)
    ●室内飼育の普及啓発(備考:アニマルウェルフェア)
    ●新しく犬を飼う人へ適正飼養の普及啓発

      (備考:愛護動物の遺棄は犯罪)

4.    蒲郡のペットと自然を守る会エデン(以下、蒲郡エデン)の方針

5.    これまでの活動

6.    その他



1.    蒲郡市の野犬の現状
 

蒲郡市環境環清掃課(境美化・環境衛生)のHPには、およそ直近1年間の野犬目撃情報が掲載されている。2025年6月1日時点および7月1日時点で掲載されている範囲内で、最も目撃情報が多い地域は西浦町である。


また、西浦町での目撃件数は2024年5~12月の8か月間で9件だったが(グラフ1)、2025年1~6月の6か月間で31件となっており(グラフ2)、2025年になって急増している。

蒲郡市HP  野犬対策について 本市における野犬の現状 より松山作成
※頭数の記述がないものは1頭として算出

グラフ1:2024年5月から12月の蒲郡市内野犬目撃場所と頭数

 

グラフ2:2025年1月から6月の蒲郡市内野犬目撃場所と頭数

 

グラフ3:およそ直近1年間(2024年5月から2025年6月)の蒲郡市内野犬目撃場所と頭数

 

2024年5月~2025年6月までのおよそ直近1年間で、野犬に追われた・怪我を負った(噛まれたわけではない)事例は、竹谷町で1件、西浦町で3件発生しており、西浦町の3件のうち1件では中学生数名が怪我を負っている。人と野犬の干渉は西浦町が多い。

 

しかし、このデータで注意が必要な点は、人を追いかけたのが本当に野犬なのか、放し飼いになっていた飼い犬なのか、脱走した飼い犬なのか、遺棄された飼い犬なのか、判別ができない点である。

 

通常、野犬は野生動物同様、人を見ると警戒して逃げる。人に近付くのは人慣れした飼い犬か、餌付けされて人慣れした野犬/子を守らねばならないメスの野犬などの可能性が考えられるため、野犬と断言できない。

 

人と犬との事故を無くすためには、飼い犬の適正飼養の普及啓発と不妊去勢手術の徹底なども同時に進めていく必要がある。

 

※愛知県内で報告されている犬の咬傷事故はすべて飼い犬によるもので、確実に野犬による事故は確認されていない(蒲郡エデン調べ)。

 

地図1:蒲郡市内で直近1年間に10頭以上の目撃情報があった地域

 

蒲郡市内で直近1年間に10頭以上の目撃情報があった地域(グラフ3)を地図に落とすと地図1のようになる。

 

目撃情報は蒲郡市西部の西尾市や幸田町の境界地域に集中しており、山林と住宅地が隣接している環境で多い。山中よりも人の近くのほうが餌と水にありつきやすいためと思われる。また、西尾市や幸田町から越境している可能性が考えられる。


 

2.    野犬に伴うリスク

 

●人獣共通感染症の伝播:SFTS(重症熱性血小板減少症候群)、エキノコックス症、狂犬病、疥癬、ブルセラ症等(愛知県では2025年6月にSFTSにより2名死亡。SFTSはマダニを介して感染する。)

 

●環境省によるとノイヌ(イヌの野生化したもの)は重点対策外来種であるため、蒲郡市の野生動物と生息地や餌の競合が起こり、生態系への影響が懸念される。

 

 

3.    対策

 

①緊急的対策 

 以下★2点の野犬の供給源となる「蛇口を閉める」対策

 

★1. 餌やりしない

 

成犬の栄養状態が良くなれば健康な子犬を生むことができ、死亡する個体よりも生まれる個体が増加する。その結果、捕獲しなければならない野犬の数が増加し、殺処分数も増加する。愛知県では毎年犬の殺処分が行われているが捕獲頭数は減少していない(※1愛知県動物愛護センターHP令和3年度から令和5年度までの事業概要(以下、愛知県事業概要)より)。野犬にとっては死に損ということになる。

 

可哀想で餌をあげたいという気持ちは理解できるが、その一時的な「可哀想」が野犬の殺処分数を増やしている要因になっていることを市民に理解してもらう必要がある。

 

また、野犬への餌やりは人との接触を増やす要因になり得る。餌やりされて人が餌を持っていると野犬が学習すれば、餌の有無を確認するため、または餌を奪うため、人に近寄るようになることが考えられる。

「人=餌」と学習させない←餌をやらない

「子犬が生まれる条件を作らない」←餌をやらない

ことが重要。

 

農地に放置した農作物が意図しない餌付けになっている場合もあるため、野犬の目撃情報が多い地域では、農作物を放置しない等の対策を同時に行えるとより良い。

 

※1蒲郡市HPで公表されている野犬の捕獲実績(環境清掃課担当)には有害鳥獣駆除(農林水産課担当)で捕獲された野犬の数が含まれていないため、愛知県事業概要の犬の捕獲頭数を参考にした。

 

★2. 他地域からの流入防止

 

蒲郡市に隣接する西尾市は愛知県で犬の捕獲頭数が最も多い自治体であり、蒲郡市も犬の捕獲頭数上位の自治体である(愛知県事業概要より)。西尾市蒲郡市間で流入が考えられるため、蒲郡市と西尾市の両市が野犬を減らす取り組みを同時に行っていく事が望ましい。

 

 

②上記★2点に加えて同時に行うことが望ましい対策

 

●野生下での野犬の子犬の早期発見・捕獲

 

野犬は成長するにつれて警戒心が強くなり、譲渡されにくくなる。野犬の子犬を見つけたら、成長して逃げられるようになる前に捕獲し、譲渡の機会につなげることで、野生下での個体数の増加および殺処分数の増加を抑える。

 

●飼い犬の不妊去勢手術の徹底

 

外で飼育している飼い犬や逃げてしまった飼い犬と野犬が交配することがあるため、飼い犬の不妊去勢手術の重要性を普及啓発していく。

 

※備考:不妊去勢手術は、雌雄ともに長生きする確率が高くなる(環境省 資料3 繁殖制限措置より)。また、攻撃性、支配性が弱まり問題行動が起きにくくなる、性格が穏やかになり、しつけがしやすくなる、なわばりを守る意識が弱まり、マーキング(放尿)が減る、発情期のストレスがなくなり、脱出、放浪が減る、老化に伴い発症する特定の病気(前立腺肥大や子宮蓄膿症など)を予防できるなど、犬の不妊去勢手術には多くのメリットがある。(新潟県 今どきの、犬の飼い方【新潟県動物愛護センター】より)

 

●室内飼育の普及啓発


犬は群れで暮らす習性を持っており、屋外の暑い/寒い犬小屋に1頭で置かれるよりも、飼い主のそばで暮らす方が幸せと言える。特に老犬にとって屋外飼育は厳しいものである。最近は室内で犬を飼う飼い主も増え、室内飼いの便利用品(ケージやトイレシートなど)もたくさん販売されている。吠えなどの問題行動も、飼い主のそばでしつけをすることで、屋外飼育に比べ改善することができる。(新潟県 今どきの、犬の飼い方【新潟県動物愛護センター】より)

 

西尾市では飼い犬が噛まれて死亡するなど深刻な被害が発生している西尾市HPより)。室内飼育は飼い犬を野犬から守ることにつながる。

 

犬の室内飼育が普及している現在において、外飼いにされている犬に対す市民の目は厳しくなっており、愛護センター・警察への通報などが増加している。

 

※備考:アニマルウェルフェア(≒動物福祉)が世界的に広がりを見せる中、世界動物保護協会(WAP)の2020年版レポートによると日本の動物福祉評価ランクは下から3つめのEランクであり、中国やナイジェリア等と同じランクである(参考:インドはC、タイ、韓国はD)。畜産動物に至っては最低ランクのGと評価されており、中国やイラン、ナイジェリア等と同じランクである(参考:韓国はD、インドはE、タイはF)。
日本の動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動物愛護管理法)第二条には、虐待・遺棄の防止のほか、「適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない」と、ペットの福祉を求める記載がある。

 

●新しく犬を飼う人へ適正飼養の普及啓発

 

犬には多くの品種がある。これは、人が目的別に時間をかけて作りだしたもので、特性や飼う場合の世話の仕方が違っている。子犬の時の見た目やイメージに惑わされることなく、品種の特性をよく理解した上で、自分のライフスタイルに合っているか、飼う前によく考えることが重要。飼ってから、「こんなはずじゃなかった」と言っても、犬の寿命は約15年と長く取りかえしはつかない。

例えば、盲導犬として有名なラブラドールは力が強くやんちゃな性格で、大人気のミニチュアダックスフントやチワワは、専門家の間では攻撃性の高い犬として知られており、多くの咬傷事故が起こっている(新潟県 今どきの、犬の飼い方【新潟県動物愛護センター】より)。

ライフスタイルに合った犬選び、不妊去勢手術の実施、病気の予防、しつけ、社会でのマナーなど適正飼養の普及啓発を進めることで新たに遺棄され野犬化する犬を減らしていく。

 

※備考:犬や猫などの愛護動物を虐待したり捨てる(遺棄する)ことは犯罪である。愛護動物を遺棄した者は1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される(動物愛護管理法より)。捨て犬、捨て猫を発見した際は警察へ通報する。

 

 

4.   蒲郡エデンの方針

 

野犬発生の原因という蛇口を閉めるため、主に野犬への餌やりおよび他地域からの野犬流入を防ぐ働きを自治体や蒲郡市と西尾市両市市議、市民などと共に進めていく。

必要に応じて、野犬頻出地域での勉強会や出前授業なども行っていく。

 

 

5. これまでの活動

 

●2025年6月26日

八田寿人市議、千賀充能市議、中野香余市議の3名の蒲郡市議、SORA代表小嶋愛子氏がまごおり市民まちづくりセンター職員1名、蒲郡エデン代表松山の計6名で野犬勉強会を開催。

 

●2025年7月9日

小林孝幸市議、渡辺将司市議の2名の西尾市議、青山義明市議(自由民主党蒲郡市議団議長)、八田市議、千賀市議、中野市議の4名の蒲郡市議、梅庄の梅田晶子氏、SORA代表小嶋氏(電話での参加)、蒲郡エデン代表松山の計9名で野犬勉強会を開催。西尾市蒲郡市間で野犬の流入が考えられるため、両市ともに野犬対策を進めていくための良い顔合わせの機会となった。

 

※これまでに協力いただいている方々

アドバイザー:SORA代表小嶋氏

蒲郡市議:青山義明氏、八田寿人氏、千賀充能氏、中野香余氏

西尾市議:小林孝幸氏、渡辺将司氏

梅庄:梅田晶子氏

 

 

6. その他

 

愛知県が公表している犬の捕獲頭数を参考として記す。(ランク付けは愛知県事業概要に基づき松山が作成。愛知県動物愛護センター所管区域の情報であり、名古屋市、豊橋市、岡崎市、一宮市および豊田市の情報は含まない。)
 

野犬と飼い犬を区別することは難しいが、犬捕獲頭数の多い地域は野犬が多いと考えられる。西尾市は公表されているR3~5年の3年間すべての年で捕獲頭数ワースト3にランクイン。隣の蒲郡市も県内での捕獲頭数上位にランクインしている。