皆様、お元気でしょうか?

本日は、今年最後の『蔦之助だより』をお送りさせて頂きます!!



本日、歌舞伎座『壽 初春大歌舞伎』の稽古が無事に終わり、2015年の仕事納めをしました!



このように正月公演の折は、歌舞伎座の楽屋口に、門松を立てる事が吉例となっております。






そして、2日から初日を迎える歌舞伎座正月公演の中で、私は、



旦那が徳川家康をお勤めになる『秀山十種の内  二条城の清正

(しゅうざんじゅっしゅのうち  にじょうじょうのきよまさ)』の侍女、

『玩辞楼十二曲の内  廓文章 吉田屋

(がんじろうじゅうにきょくのうち  くるわぶんしょう よしだや)』の太鼓持に出演いたします!

正月から、立役と女方の両方を勉強させて頂ける事はホントに嬉しく思います!





さて、今日は、歌舞伎演目の「お家芸(おいえげい)」についてお話しします。

先程も書きましたが、歌舞伎の題名には、「~の内」と付くものがございます。




これは、その演目が各お家の、得意芸、つまり、お家芸に制定されているという事なのです!

例えば、どのようなお家芸があるのか、少しだけご紹介します。

先ずは、言わずと知れた、

市川團十郎家の、『歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)』

「勧進帳」「助六」「鳴神」「毛抜」…等



尾上菊五郎家の、『新古演劇十種(しんこえんげきじゅっしゅ)』

「土蜘」「茨木」「戻橋」「身替座禅」…等



中村吉右衛門家の、『秀山十種(しゅうざんじゅっしゅ)』

「二条城の清正」「松浦の太鼓」「弥作の鎌腹」…等



中村鴈治郎家の、『玩辞楼十二曲(がんじろうじゅうにきょく)』

「廓文章」「引窓」「封印切」「河庄」…等



市川猿之助家の『三代猿之助四十八撰(さんだいえんのすけ しじゅうはっせん)』

「伊達の十役」「骨寄せの岩藤」「ヤマトタケル」…等



そして、我が家、市川左團次家にもお家芸がございます!!

『杏花戯曲十種(きょうかぎきょくじゅっしゅ)』と、いう物です!!

「杏花」というのは、これを制定した、二代目左團次丈の、俳句の俳名でございます。

どのような演目があるかと申しますと、

「鳥辺山心中」「番町皿屋敷」「修善寺物語」…等です。

旦那も以前、お家芸である「修善寺物語」の夜叉王をお勤めになっていますよ。

そして、この『杏花戯曲』の中で、1965年を最後に、上演されなくなっている名作、

「今様薩摩歌(いまようさつまうた)」という物がごさいます。

人間の愛情と欲望を描いた作品なのですが、私は昔からこの作品に興味があったので、

もし復活上演される事があれば、高島屋の人間として、

何かに関われれば嬉しいと思っています!




それでは最後に!!

準レギュラーの壱太郎さんは、大阪松竹座の正月公演へと旅立ちました!



大役ばかりの大奮闘ですので!関西の皆様は是非、足をお運びくださいませ。

「かずくん!しばらく同じ劇場になる事はないけど、お互い頑張ろう!!なんかこの写真、

奇跡的な構図で、かずくんの頭の上に人形が乗ってるみたいになってるけど…笑」






それでは、今年も「鳥之助だより」……

あ!間違えた!!笑

「蔦之助だより」を御愛読頂きありがとうございました!
 

※この絵は、いつも応援してくださっている方が描いて下さいました。





どうぞ皆様、良いお年をお迎えくださいませ。