皆さま、いつもお世話になっております。

左團次の家内です。

ご無沙汰をしておりましたが、お元気にお過ごしでしょうか。

いつも皆さまからのコメントをありがたく拝読させていただいております。

先日、桃太郎の術後3ヶ月検診がありましたので、

JUSMINEどうぶつ循環器病センターに行って参りました。

おかげ様で、検査の結果が良好でありましたことを、

ご心配してくださっている皆さまにお知らせしたく、代役を勤めさせていただきます。

手術から通院にいたる一連の流れが、ようやく一段落着きました事を、

親愛なる皆さまに、ご報告出来ます喜びと感謝の気持ちで、今は胸がいっぱいです。





JUSMINEどうぶつ循環器病センターは、横浜市都筑区にあります。

2ヶ月振りに見る、この街の景色に、様々な記憶が一気に呼び起こされました。

本日は、今まで余裕がなく、書けなかった手術当日の事を、書かせていただこうと思います。





僧帽弁閉鎖不全症の桃太郎の手術は、心臓内の弁膜を修復する為、

心臓の拍動を止めて、人工心肺装置を使って行われる大手術でした。

当日、朝の5時に病院に到着し、今一度、先生より一日の流れのご説明を受けました。

そして、術前の検査の為、一度桃太郎を先生にお預けしました。

検査が終わった桃太郎と待合室で一緒に待ちましたが、

当然、私の緊張は伝わるでしょうし、普段なら必ず一緒にいる桜次郎がいないので、

桃太郎自身ただならぬものを感じたようで、

病院から出たがり、外に出られる扉を手でカリカリとしたりしておりました。

その後、再び先生に呼ばれ、遂に桃太郎を託した瞬間、

まさに身を引き裂かれる思いを痛感致しました。

いよいよ、小さな桃太郎の、数時間に及ぶ、大きな手術が始まりました。

私の身で代わることが出来るのなら、代わってあげたいと思いながらも、

もう私にはただ待つ事しか出来ない状況になりました。

待合室に一人、桃太郎の無事を祈りながら、手術の成功の報告を一刻も早くと待ち続けました。

ところが、手術終了の予定時刻になっても、なかなか先生に呼ばれませんでした。

そして、ようやく先生に呼ばれましたが、その報告は、

僧帽弁修復手術は完了しましたが、まだ原因不明の出血が止まらないので、

呼吸が戻らず、未だ危険な状態だというものでした。

告げられた時は、何を言われたのか一瞬わからず、頭の中が真っ白になりました。

えっ?桃太郎を失うかもしれないということ…?

その時の私は、数時間前まで、私の腕の中にいた愛する桃太郎を手離してしまったことを、

悔やんでも悔やみ切れない思いで溢れかえっておりました。

手術が始まる前に、待ち合い室で待機していた私の耳に、

術前の処置の為、いったんケージに入れられた桃太郎の私を呼ぶ、

「わん、わん、わん!」という鳴き声を、胸が潰れる思いで聞きましたが、

その時の桃太郎の声が、私の耳に何度も何度も谺しました。

その時の恐怖と絶望は、今こうして書いていても、体が震え、息が苦しくなります。

先生からの緊迫した報告が終わり、再び待合室で待つよう促されましたので、

至急皆さまにブログにて、この事をお知らせさせていただきました。

皆さまが桃太郎の為に祈ってくださるお力に、何としてでも縋りたかったのです。

そして、私自身、一心不乱に全身全霊で祈り続けました。

その後、再び先生に呼ばれ、出血箇所がわかり、無事に処置が済み、

桃太郎の呼吸が戻り、血圧などの数値が正常になったと報告を受けた時は、

世の中のすべてのことに感謝し、神様に身も心も捧げる気持ちになりました。

術後すぐの、体中に管を付けられ、意識が朦朧としながらも、

「はっ、はっ、はっ。」と浅く速い呼吸を苦しそうにしながら、

懸命に生きようとする桃太郎を思い出しますと、今でも自然に涙が出ます。

その日の夕方、出来れば病院に泊まり込みたい気持ちを必死に抑え、

後ろ髪を引かれる思いで、病院を後にする際、担当の先生から、

「これは皆さまにお聞きしている事なのですが…」と、遠慮がちに前置きをされ、

「容態が急変した際に、どの位の時間、心臓マッサージなどの救命処置をしますか?」と、

尋ねられた時には、一度は命を取り留めたと安心していただけに、

再び、谷底に突き落とされたようで、立っているのがやっとでした。

術後すぐの合併症が危険であることの説明は、予め受けていたのですが、

実際に、このような質問をされるとは考えがいたりませんでした。

飼い主が病院まで駆けつける間、ずっと心臓マッサージなどをすれば、

それを受ける側の身体の負担も相当に大きく、それを考慮しての質問なのですが、

「10分で着きますので、何かありましたら、必ずすぐにご連絡ください。」と、

お願いすることしか出来ず、フラフラと病院を出て、

車に乗り込みましたが、暫くは発進させることが出来ませんでした。

その日の夜は、枕元に置いた電話が鳴ることが恐くて恐くてたまりませんでした。

浅い眠りの中、幾度も目を覚まし、着信がなかったかを確認しながら、

私の人生で最も苦しく暗い夜が明け、なんとか朝を迎えました。

今でこそ、手術をしていただいた事に感謝し、心から満足しておりますが、

この様な経緯があり、あの日のブログには、手術をしたことを後悔していると書き、

皆さまにご心配をお掛けしてしまいましたが、

皆さまより頂戴しました御守りと、愛情溢れる親身なコメントに支えていただきました。






JUSMINEの先生達の昼夜を違わぬご尽力はもちろんのことですが、

あの時、皆さまが祈り、愛情をもって送ってくださった目に見えない力が、

小さな桃太郎の命を救ってくださったと、今も確信しております。

そして、いつも皆さまの存在を近くに感じることが出来た私は、

慣れない土地で一人過ごす孤独を、全く感じることはありませんでした。

ですから、応援してくださいました皆さまに、桃太郎が元気になったご報告をすることが、

あの時の私のただ一つの叶えたい夢なのでした。

皆さまから賜りましたご厚情は、今も私のこの胸にしっかりと刻まれております。






今の桃太郎はとても元気で、生きる喜びに満ち溢れているかのようです。

時には、あれだけの大手術をして生死を彷徨った事実を忘れてしまう程です。

でも、先日の3ヶ月検診の際、主治医の先生より、

「いくら元気でも、心臓の手術をしたということを忘れないようにしてください。」

と、ご指示を受けましたが、そのお言葉のとおり注意を怠らぬよう、

自分自身への戒めの意味もこめまして、とても長くなってしまい申し訳ございませんでしたが、

手術当日を振り返り、皆さまにお知らせさせていただきました。






私にとっては、いつまでも赤ちゃんのような桃太郎ですが、もうすぐ10歳になるのですから、

これから先、他の病気をしないという幸運が保証されている訳ではありません。

そして、同じくまだまだ赤ちゃんだと思っている桜次郎も、もうすぐ5歳になります。

神様からお預かりしている、この二つの大切な大切な小さな尊い命。

真っ直ぐに私を見つめる澄んだ瞳。

私の元に駆けてくる、弾む足音。

この子達の日常の全てが愛おしく、私に向けてくれるひたむきな愛情に応えるべく、

このかけがえのない命を慈しみ、共に生きたいと願っております。

最後になりましたが、私たち荒川家一同、

皆さまと皆さまの大切なご家族の健康と幸せを祈らない日は、これから先もありません。

本当に本当にありがとうございました。