桃太郎  「皆ちゃまー、今夜は僕たちが代役でーす!」

桜次郎  「お兄たん、代役はいいけどー、僕たち何か被ってるよねー?」

桃太郎  「カボチャだねー。」

桜次郎  「これってー、この間の菊五郎おじちゃまのとお揃いー?」

桃太郎  「うん、でもあれは菊五郎おじちゃまのじゃないんだってー。」

桜次郎  「へー、じゃあ、誰のなのー?」

桃太郎  「菊五郎おじちゃまのお家の坊太夫ちゃん。」

桜次郎  「坊太夫ちゃん?」

桃太郎  「僕が会ったのは、次郎の生まれる前だから、次郎は会ったことないねー。」

桜次郎  「僕たちと同じワンちゃん?」

桃太郎  「うん。ワンちゃんだけど、大きくて真っ白で、すごく格好いい子なんだよー。」

桜次郎  「そうなんだー。きっとセレブなイケメンって感じなんだろうねー。」

桃太郎  「うん、まさにそんな感じー。」

桜次郎  「じゅあ、このお帽子は坊兄たんとお揃いなのー?」

桃太郎  「そうみたーい。あの時に、同じ人にパパと菊五郎おじちゃまが貰ったんだってー。」

桜次郎  「そうなんだー。それを菊五郎おじちゃまが被ってた訳なんだねー!」

桃太郎  「菊五郎おじちゃまって、楽しいおじちゃまだもんねー!」

桜次郎  「周りの人を楽しませようって思う優しさだから、素敵なんだよー。」

桃太郎  「うん。その上、奥さんの純子おばちゃまもすごーく綺麗で優しいんだよー。」

桜次郎  「知ってるー。綺麗で優しいママで、坊兄たんが羨ましいねー。」

桃太郎  「しーっ、次郎!羨ましいなんて話してて、うちのママに聞こえたら叱られちゃうぞー。」

桜次郎  「そっかー。それじゃあ、うちのママがそうじゃないみたいだもんねー。」

桃太郎  「そうだよー。危ない、危ない…。」

桜次郎  「ふーっ。危ない、危ない…。」

桃太郎  「あっ、噂をすれば、ママ来たぞー!」

桜次郎  「お兄たーん。絶対、絶対に内緒だからねー。」

桃太郎  「わかった、わかったー。早く寝たふりしよー!」

桜次郎  「寝たふりー、寝たふりー!」