映画『寝ても覚めても』唐田えりかは負けない | さむたいむ2

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今日も元気で

 

映像はすべてを語ります。

東出昌大と唐田えりかの不倫がいま話題です。「週刊文春」のゴシップ記事だけだったら、ただの不倫で済んだのです。ワイドショーで公開した映画『寝ても覚めても』のカンヌ映画祭の様子を、あのレッドカーペットを敷いた階段でのシーンがすべてを語ってしまいました。映像の恐さです。

 

東出の馬鹿さ加減と唐田の「匂わせ」が、主婦層を怒らせてしまったそうです。3人の子育てに奮闘している杏ひとり「かわいそう」と同情されています。果たしてこれ杏自身本意ではないでしょう。こんなことで同情されたくはないはずです。

 

私が映画『寝ても覚めても』のDVDを観たのは、単なる好奇心からです。

 

話題になっているものを知らないわけにはいかない。この不倫騒動がなければ観なかった映画でした。カンヌ映画祭に出品したこと知りませんでした。それにしてもあの階段は、ロングドレスを着たことがない彼女の迂闊さらきています。マネージャーはいなかったのでしょうか。それとも事務所に予算がなくて同行できなかったのか?

 

いずれにしても19歳の新人女優(?)を舞台に上げることに事務所、映画会社の考慮が足りなかったのです。こういうと私が唐田を贔屓にしていると思われそうですが、周囲は東出との仲が良すぎると気づいていたなら注意してあげるのが大人です。濱口竜介監督も晴れの舞台で舞い上がっていたのでしょう。東出と同じように唐田を気づかっていましたが、彼に遠慮していたように見えました。

 

さて映画です。朝子(唐田)が写真展に行くところから始まります。そこで麦(東出)と運命的な出会いをします。一目見て朝子は麦(ばく)の後を追います。そしてなぜか抱擁し口づけします。キスシーンのなんと多い事か。

残念ながらベットシーンはありませんでした。まだ未成年の唐田に配慮したのでしょう。

 

ここで問題です。姿を消した恋人に似たひとに出会ったら女性はどうでしょうか。麦がある日、姿を消してしまいます。「僕はきっと戻って来る」というのが彼の口癖でした。月日が過ぎ、大阪から東京へ出てきた朝子は麦に似た青年亮平(東出の二役)と出会います。最初は避けていました。麦のことがまだ心を占めていたからです。しかし次第に心を許していきます。こんな朝子を責めることができるでしょうか。悪いのは麦です。

 

麦に、それも瓜二つの亮平を朝子は好きになってしまいました。亮平はテレビCMで麦を見かけます。そして朝子が麦に似た自分を好きになったことに気づくのです。最初にあった時「麦?」と朝子がいっていたのを思い出したのです。朝子の前のも麦が現れます。この時の混乱はいかばかりか。

 

だいぶネタバレしてしまいました。肝心のところは伏せましょう。

 

ただ一つ朝子のような女の子を責めることができるでしょうか。元カレと似ていたら尚更です。元カレの思いを消せずにいた朝子。しかし彼女は気づくのです。いま幸せなのは亮平と居ることです。しかし一時、麦の元へ戻った朝子を亮平は許せません。それはそうでしょう。自分にではなく元カレが忘れられなかったのですから。でも朝子は亮平と一緒に居た幸せを取り戻したいと、なりふり構わぬこの行動は批判されるでしょう。自分勝手です。しかしこの一途な思いをどうしたらいいのでしょうか。

 

本来ならば皆離れ離れです。しかし朝子は頑張るのです。

 

この映画を観て、唐田えりかは朝子にかなり影響を受けたのではないでしょうか?。成りきるというより、朝子から力を得ています。いま四面楚歌の状況ですが、唐田を支えているのは朝子ではないか。自分勝手といわれようが女優としてまだ苦悩しています。この修羅場を乗り切ることが唯一彼女の生きる道です。私が彼女の贔屓でなく、彼女自身負けていません。事務所もまだ彼女を支えているようです。

 

悪女といわれようが構う事はないのです。『寝ても覚めても』がスタートであるならば、いつか彼女は認められるでしょう。ひとの噂も七十五日です。芸能界という魑魅魍魎の世界で生き抜くにはこれくらい何でもありません。

 

最近「芸の肥やし」という言葉を聞きません。これ男の芸人だけの特権ではない。女優にだって芸の肥やしがあって然るべきです。

 

 

追記:原作が柴崎有香です。唐田えりかは台本だけでなく、原作も読んだことでしょう。ならば心配はいりません。