こんにちは、金井です。

今日はオリオン座の星の名前でたびたび登場する「ジャウザー」について

お話しようと思います。



今までに紹介したオリオン座の中の7つの星のうち6つがアラビア語源の

星名だった事、お気づきですか?


1等星
α星:ベテルギウス(Betelgeuse)
β星:リゲル(Rigel)

2等星
γ星:ベラトリクス(Bellatrix)[ラテン語]
κ星:サイフ(Saiph)
ζ星:アルニタク(Alnitak)
ε星:アルニラム(Alnilam)
δ星:ミンタカ(Mintaka)


ベラトリクスだけラテン語名で、

あとはすべてアラビア語の名前がついているんです。

ベラトリクスというγ星もアラビア語名があって、 『アル・ナジド(Al Najīd)』

意味は「征服者」とついています。

あまり有名ではないので、『ベラトリクス』で覚えておいた方が良いですね!



とまぁ、こんな感じでアラビア語源の星の名前がとても多いわけですが、

コレには西洋の歴史が深くかかわっています。

簡単に説明すると、

西ローマ帝国の滅亡後の、キリスト教支配によって
古代ギリシア・ローマの文化・科学などの発展が滞り、
その間、その素晴らしさに気づいたイスラムの人々が、
ギリシャ・ラテン語の文献をアラビア語に翻訳また発展させ、
その後、西洋にラテン語を解して戻っていった。

中世の暗黒時代とルネサンスのことですね。



オリオン座も古代ギリシャ生まれのイスラム育ちなので、

アラビア語の星名がついてるんです。

そして、そのアラビアの古い伝承の中に「ジャウザー」が登場します。

「ジャウザー」とは女性の名前です。

色々な説がありますが、ここではその中の1つを紹介しましょう。

Sky_Orion_needsource_lg.jpg


今回紹介した「ジャウザー」は海外のサイトからのもので、

アラビアのスハイル伝説の登場人物として描かれています。



この絵の中に、オリオン座が見えますか?

三ツ星は昨日お話した、昔のアラビアのもう一つのの名前、

『ファカール・アル・ジャウザー)』=「ジャウザーの背骨(脊椎)」

として描かれています。



スハイル伝説は日本でも紹介されているところがありますが、

日本ではスハイルも含めて3姉妹だったり、

「ジャウザー」に対応するのが星『リゲル』だったりしますが、

こちらは微妙に違うところが面白いです。



この伝説は、

「こいぬ座」の『プロキオン』 (冬の1等星の1角)

「おおいぬ座」の『シリウス』 (冬の1等星の1角) と、その他の星々

「りゅうこつ座」の『カノープス(スハイル)』 (主人公)

が、かかわってきますので、冬の大三角を説明してからがいいと思います。

明日以降にお話しするので、楽しみにお待ちください♪




それでは、復習です。


ある日、企(たくら)む三鷹(みたか)


ある日、たく(アルニタク)らむ(アルニラム)
                       三鷹(ミンタカ)

何を企んでるの???


ベラの財布をベリッと〆(しめ)る!


ベラ(ベラトリクス)の財布(サイフ)を

         ベ(ベテルギウス)リ(リゲル)ッと〆(順番)る!


国立天文台のある三鷹は、妖怪人間のミカタです(意訳)!
※ 妖怪人間ベラの名前はベラトリクスではありません。

星空があなたの宝物になりますように☆彡

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