突然の轟音で、跳ね起きる。
ごぉごぉと、闇を襲う水音は、まるで、巨大な瀑布の滝壺に立ったかのようだ。
いつから、雨は、こんなに凶暴になったのか…。
壊れた地球に棲息している現実が、妙に、切なくて、生きていることが、虚しくなる。
小帝も、生きるに虚しさを感じ始めているらしい。
YouTubeで見つけた、東本願寺のモノだという経を、正座、合掌し、神妙な面持ちで、繰り返し聴いている。
こいつ、神童なのか、それとも、単に、爺臭いだけの、餓鬼なのか‥。
うむぅ‥精神年齢では、追い抜かれているかもしれない。
口達者な小帝に、言い負かされては、『おうちに帰る!』と、喚くさだると言う女を持て余し気味の三歳児に『だっこしてくれなきゃ、嫌!許さないもん!』と、すねてみる。
『お前は、幼稚園児か。』と、窘める芝浦の声が、聞こえてくるようだ。
今年も、また、蝉が、死に転がっている。
季節変わりには、いったい、どれだけの、生物が、その一生を終えるのか。
去っていく夏の、悪あがきを憐れんだのか、薔薇は、咲いた。
薄絹を幾重にも重ねたような柔らかな花弁が反射する光りは、存外、硬質で、強がる事でしか生きられない女を思わせる。
『だから、華潭‥かふか‥よ。どう?素敵な名前でしょ?』
品種のわからないのを、これ幸いと、軽い蔑みと、自虐を積んだ名を、薔薇に、押し付ける。
屹度、私は、この花の、清楚で、しかも、どこか耽美な咲き姿に、嫉妬しているのだ。
花襞に生まれる淡い翠の影の無垢と傲慢に、身悶える夏の終わり。
『お父さんも嫌い。お母さんも嫌い。さだるだけ、大好きだよ。』と、背後から抱きしめてくれる小さなぬくもりに、僅かに、胸の痛みが生まれる。
『たっちゃんは、大好き。でも、たいちゃんが、もっと好き。』
口に出きない想いが、小帝への罪悪感に、変わる午後。
ごぉごぉと、闇を襲う水音は、まるで、巨大な瀑布の滝壺に立ったかのようだ。
いつから、雨は、こんなに凶暴になったのか…。
壊れた地球に棲息している現実が、妙に、切なくて、生きていることが、虚しくなる。
小帝も、生きるに虚しさを感じ始めているらしい。
YouTubeで見つけた、東本願寺のモノだという経を、正座、合掌し、神妙な面持ちで、繰り返し聴いている。
こいつ、神童なのか、それとも、単に、爺臭いだけの、餓鬼なのか‥。
うむぅ‥精神年齢では、追い抜かれているかもしれない。
口達者な小帝に、言い負かされては、『おうちに帰る!』と、喚くさだると言う女を持て余し気味の三歳児に『だっこしてくれなきゃ、嫌!許さないもん!』と、すねてみる。
『お前は、幼稚園児か。』と、窘める芝浦の声が、聞こえてくるようだ。
今年も、また、蝉が、死に転がっている。
季節変わりには、いったい、どれだけの、生物が、その一生を終えるのか。
去っていく夏の、悪あがきを憐れんだのか、薔薇は、咲いた。
薄絹を幾重にも重ねたような柔らかな花弁が反射する光りは、存外、硬質で、強がる事でしか生きられない女を思わせる。
『だから、華潭‥かふか‥よ。どう?素敵な名前でしょ?』
品種のわからないのを、これ幸いと、軽い蔑みと、自虐を積んだ名を、薔薇に、押し付ける。
屹度、私は、この花の、清楚で、しかも、どこか耽美な咲き姿に、嫉妬しているのだ。
花襞に生まれる淡い翠の影の無垢と傲慢に、身悶える夏の終わり。
『お父さんも嫌い。お母さんも嫌い。さだるだけ、大好きだよ。』と、背後から抱きしめてくれる小さなぬくもりに、僅かに、胸の痛みが生まれる。
『たっちゃんは、大好き。でも、たいちゃんが、もっと好き。』
口に出きない想いが、小帝への罪悪感に、変わる午後。