2010年ベルリン国際映画祭銀熊賞男優賞と芸術貢献賞受賞作品。



$dibbi dubbi daaなブログ



 「まったくわからん映画やったけど、べー子ちゃんやったらわかるんとちがう?」


って言ってツレの友達が持ってきたDVD。


 「なんで、Bさんがわからんもん、ワタシにわかるわけないやん」


 「ベー子ちゃん、変わった映画好きやろ」


 「。。。。」


 ということで、早めにピグライフを切り上げて、一人で自分の部屋で観賞。


 確かに、娯楽映画ではないし、社会派でもないし、涙、感動でもないし、うーん


 強いていえば、不条理映画とでも言いましょうか?


 世代の違う男、二人が隔離された北極圏のどこかの観測所でひと夏一緒に仕事を


 するんですが、小さなミスからびっくりするような事件が起きるんです。

 
 ロシアの映画なんてあまり観る機会がありませんが、若い方の男、イケメンです。


 イケてるけど、アホメンでもあります。アホと言うより中学生から頭の成長が


 止まってる感じと思っていただければ。怒られたら、怖くて、だまってしまって

 
 何も言えなくなって、そのうち逆切れ。自分が何してるか正確な判断が出来ない


 最後には恐ろしいことをしでかすんですが、一昔前の〇〇ちゃん事件の中学生が


 犯人でしたみたいな、そんな男です。体はセクシーな大人の男です。

 
 ポスターの手前大きく写っている男です。向こうに小さく写っている男。


 もう一人の男、中年男。この二人しか出演していません。アホメンの上司ですが

 
 まあ、この観測所に若い頃から働いて、熟練工といった職人気質な嫁と息子を愛

 
 する、普通のおっさんなんですが、最後、恐ろしいことをしでかしたアホメンを


 大きな心で許してあげるんです。


 観ていて「なんで?どうして?」とアホメンの行動にイライラさせられますが、


 どんどん、その小さな事が膨らんで、サスペンスタッチな展開を見せてくれます。


 その間に映る夏なのに冬景色、北極圏ですから大自然の移ろいを見事なまでに

 
 見せてくれます。中年男は仕事オンリー真面目一徹かと思いきや、アホメンに


 留守を頼んで、マス釣りに出かけます。サボタージュです。


 
 自分の過失を「あんたが、マス釣りにいったのがあかんかったんよぉー」


 アホメンのセルフ、関西弁で翻訳するとまあこんな風です。


 「おまえのかあちゃん出べそ」的な泣きながらの抗議は中学生以下。

 
 そのアホメンに国が、この観測所のなぜか放射能の数値を例のガイガー


 カウンターで計らせてて無線で連絡するという仕事をさせているんです。

 
 国か企業か定かではないんですけど、ちょっとナンセンスな箇所も随所


 ありましたが、結局のところは今の時代使えない若者と、固まったままの


 頭の中年男とは全くクロスしないということだったのかな?


 アホメンはこのひと夏の体験で、ていうか事件で大人になるのかな?

 
 いや無理でしょう。


 中年男は悲しい結果になった上、放射能物質たっぷりのマスの塩ヅケを食べて


 しまい、なのに、病院での検査もせずに観測所に残って仕事を続けます。


 えーーそうなるんですか?先が読めないアホメンの行動に、感動さえ覚えました。

 
 たいそう有名な監督らしいんです。なんども映画賞を取ったりする。映画通の方

 
 知ってらしたら教えてください。

 
 なんといっても、あのホームメイド、男の料理、マスの塩漬けが干してあるんで


 すけど、唾がじゅわーと出てきて、「食べたい、食べたい、食べたい」


 アホメンも食らいついていました。


 映画の大筋はこんなところですが。頭に残った、焼きついたマスの塩漬け。


 当分消えないでしょう。あれでヴォッカなんがを呑むんでしょうか?

 
 マトリョーシカ達は?


 一部分、理解不可能な逃亡劇をしでかすアホメンの場面、一人ですから台詞なし


 だた、だたカメラが回るだけ、ふと阿部公房の「砂の女」のあの高校教師の切迫


 した心理状態とだぶりました。


 今夜の更新なんと9日ぶりです、ブログを始めてすぐに読者登録した


 「なべっちさん」からどうしっちゃたの?ってコメントいただきました。


 ありがたいですね。さっそくDVD感想を書きました。


 Thank you,なべっちさん.


 単に、自分のブログ書かずに、人のブログを読みふけっていました。


 つい長いコメント、迷惑を顧みずに書いたり。そんなことで自前ブログをさぼって


 ただけでございました。でわこの辺で。