第38段
ある日、山下の起こした行為!
この日は、朝の点呼が6時30分にあり、運送業は点呼から始まる。
点呼は、酒気帯びの有無を始め、体調管理をチェックして、今日のコースの確認と、乗車する車のチェックを行う。
この時に、搬送に必要な物を受け取る。
コースバックと、車両箱を受け取り、注意事項とチェック項目の確認を行う。
その後、出発となる。
配達物の確認と、指示表及び配達伝票を確認する。
道路状況を確認して、配達ルートを決定する。
出発すると、事務所には、戻る事は少ない。
配達時間とルートが、決められているので、戻ると遅延が発生する。
配達物には、遅延が許されない物がある。配達ルートは、道路状況によって、変更される事がある。
渋滞にハマれば、遅延発生となる。だから出発前に、道路状況を確認するのだ。
この日は、銀座で事故があり、首都環状線は、使用出来ない。
普通の運転手ならば、湾岸線を使用して、横浜方面に向う。
それを、俺は山下に伝えた。
すると山下は、木場から首都高速に乗り、銀座方面に向かった。
首都高速に乗ると、渋滞にあたる。当たり前だ、先ほど「乗るな」と言ったのに、乗るからだ。
その時に、不思議に思い、朝からの出来事を振り返った。
点呼を行い、出発をすると、事務所を出ると、普段なら右折をする。今日は、左折をしたのだ。
その後、ガソリン⛽️スタンドに寄った為、渋滞する永代通りを、通る事になる。
朝の早いコースは、遠距離となる。だから、前日に燃料は、入れておくのが、当たり前。
前日の運転手も、山下だった。
前日の仕事を、さぼった事になる。それを誤魔化す為に、取った行動ではないか?
そんな気がした。
首都高速に入ると、いきなり彼が言った。
「文句あれば、車から降りろ!」
これがどんな意味を持つのか、山下は分かっていない!
この仕事は、二人以上で行う仕事である。つまり、俺が降りてしまえば、作業は出来ない。
運転手は、一人で作業を行う事が出来ない。
仕事にならない!
それを承知の上で、発言したのだろうか?
最初の支店への到着が、30分も遅れている。
支店への遅延連絡を行う為に、電話を架けた。
呼び出している時に、「早く連絡を入れろ!」と怒鳴っていた。
俺は、その姿を見ろと、ジェスチャーで告知するが、その意思が伝わらない。
その結果、相手の銀行に、怒鳴り声が、全て伝わってしまう。
高速道路を降りた。
すると、支店へ向かう途中の自動販売機の横に、停車する。
何を考えているのか、遅延連絡を入れているのに、缶ジュースを買っているのだ。
流石に、我慢の限界に達した。
支店に到着して、遅延のお詫びをしてから、その支店の外から、隊長に連絡を入れた。
受渡が終わり、車に乗り込み、藤沢に向かった。
その途中で、禁止されているコンビニに寄ったり、散々であった。
藤沢に到着して、この行為に対して、隊長に連絡を入れた。
隊長は、山下と話がしたい。
だから、「電話を代わって欲しい」と言われる。
電話を手渡すと、「話をする事が無い」と受話器を受け取らない。
何回か説得するが、応じる事は無かった。
隊長は、「腹が立っていると思うが、我慢して戻って来て欲しい」と言われた。
俺は、こんな馬鹿な奴は、見たことがない。上司の命令に、従わない。
次回は、山下の行為のパート2を記載します。(^-^)