自分で決めた道
マツが倒れたというのは、常治が喜美子を帰らせるためのウソだったのです。

常治
調子悪いというのは、ウソちゃう。今年の夏に一回倒れた。
マツの体調はもとより、川原家のもっと大きな問題は直子が思春期を迎え常治との喧嘩が絶えなくなり喜美子が間に入ることでしか止められなくなっていたことでした。

喜美子
大阪に戻らんでええって言っても、うち絵の学校も通いはじめるのよ。

常治
そんなもの辞めてしまえ。
常治は、喜美子がやりたい勉強を頭ごなしに反対して聞く耳も持ってくれませんでした。翌朝、小学校に行った帰りにマツの薬をもらって帰るという。

喜美子が代わりにもらいに行こうとすると、百合子が「大人が行ったらダメ。」と反発します。喜美子は、事情が呑み込めず・・・

喜美子
何を隠してるの。全部話してや。
喜美子が強く言うと百合子が「病院代で借金があるから大人でなく子供が行っている」ことを打ち明けます。

喜美子
毎月仕送り送っているのに、病院代払えないなんてことになんでなるの?

直子
姉ちゃん知らんやろ?父ちゃん、調子に乗って三輪を買ってケガしてん。しばらく働けん間も酒飲んでね。借金膨らむ一方なんや。
喜美子は、直子と百合子をギュッと抱きしめました。喜美子は、その後に母・マツに聞きます。

喜美子
父ちゃんの仕事は、どんな調子なの?

マツ
丸熊陶業は、景気いいらしいよ。雑用の若い子募集してて、父ちゃんはそれでその気になったんよ。
常治は、すでに社長と話をつけているという。喜美子は、常治の話だけでは不安なので丸熊陶業の娘の照子(大島優子)に会って確かめました。照子は常治の話は本当だと教えてくれました。

喜美子が信楽で就職?
喜美子は、一旦大阪に戻りました。さだ(羽野晶紀)に川原家の事情を説明しました。

喜美子
学校はもうあきらめます。うちは信楽に帰らせてもらっていいですか?

さだ
わかったよ。家の事情だから仕方ないわね。これまでありがとう。
喜美子は、迷いに迷った末に信楽に帰ることを決断しました。喜美子の心残りは、ちや子(水野美紀)に挨拶できなかったこと。ちや子は、先輩の平田(辻本茂雄)が他社に移籍したことで、新聞社を退職していたのです。

時間がなかった喜美子は、信楽に戻った後にちや子が荒木荘に帰ってきました。そこには、喜美子からの悩んだ末に決断したことが手紙に綴られていました。そして、手紙の最後にこうしめくくられていました。

喜美子
いつかこの決断が良かったって、笑っていいあえますように。

信楽に戻った喜美子は、手際よく家事をこなしていきます。そして、常治の酒の量を徐々に減らしていきました。そして、丸熊陶業で働く日がやってきました。

喜美子は、社長の秀男(阪田マサノブ)と事務局長の加山に挨拶をして仕事をスタートさせました。喜美子の仕事は、食堂で陶工や絵付けの職人に昼食を作ったりお茶出しをしたりするものでした。勤務時間は9時から16時。

喜美子は、絵付けの仕事にとても興味を持ちました。火鉢に描かれていた絵を見て一目で魅せられてしまったのです。そのため、照子と信作が職場に来ていたときに言います。

喜美子
絵付けのことを教えて。
照子は、春から京都の短大に通いはじめ寮生活をスタートさせます。信作(林遣都)は、町役場に就職が決まっていました。

照子
最近、絵付けの火鉢に力入れてるねん。絵付け職人さんがデザインを考えて、父ちゃんに提案してるみたい。デザインが決まったらここで色塗ったりしてる。
丸熊陶業の絵付けの火鉢は売れ行きが好調でした。高級なので、高く取引がされ利益も多く出ていました。そこに、絵付け職人たちが帰ってきました。

その絵付け職人たちは、社長との相性がわるくいきなり丸熊陶業を辞めていきました。そんな様子を見て、絵を描くことが好きな喜美子は、絵付け職人になりたいと思いました。

喜美子
照子、私に絵付け職人やらせてもらえないかな?

照子
陶工も絵付けも男の世界や。
それでも喜美子の熱意がすごかったので、父で社長の秀男(阪田マサノブ)に掛け合ってくれることを約束してくれました。

翌日、喜美子が絵付けの部屋を見ると初老の人が座っていました。スカーレット第6週のネタバレ,あらすじはここまで。スカーレット第7週のネタバレ,あらすじにつづく。