私のハクルベリ友 ムーンリバーと私

目が上向くと男 YouTube ジョジペパド 素晴らしい

Moon River Lyric Johnny Mercer. Music Henry Mancini.1961

Moon River,
Wider than a mile:
I’m crossin’ you in style
Some day.
Old dream maker,
You heart breaker,
Wherever your goin’,
I’m goin’ your way:
Two drifters,
Off to see the world,
There’s such a lot of world
To see.
We’re after the same
Rainbow’s end
Waitin’ round the bend,
My huckleberry friend,
Moon River
and me.

「ムーンリバー」(Moon River:訳詩)

ムーン・リバー、
1マイルより広いけど:
僕は君を立派に渡ってみせるさ
いつの日にか。
夢をくれて、
心を打ち砕いて、
どこへ君が行こうと、
僕は一緒に行くよ:
ふたりの流れ者が、
世界を探しに出かける
たくさんの世界があるから、
見なくちゃね、
僕らは同じ虹の根元を追ってるんだ、
あの曲がり角あたりの、
僕のハックルベリー・フレンド
ムーン・リバー
と僕

オードリー・ヘップバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」のテーマ曲「ムーンリバー」です。有名すぎる歌なのですが、ちょっと意味が分からないところがあると思うので、勝手な個人的解釈を書きます。
まず「ムーンリバー」は固有名詞で、作詞者のジョニー・マーサー(Johnny Mercer)の故郷ジョージア州サバンナの「Burnside Island」にある河「Back River」のことだそうです。彼のウェブサイトに書いてあるので素直に信じましょう。と言っても、この河が「ムーンリバー」という河そのものではなく、作者のイメージとしての「ムーンリバー」という意味においてです。
歌詞を読んでみると「ムーンリバー」は幼い頃から親しんだ、きっと月明かりが水面に映えて美しい河なのだと思います。「you」は思い出の河=昔、自分が誓った希望の擬人化です。その河を身近に感じながら、希望に胸を膨らませ、失望や落胆を味わったけれど、自分自身が故郷の河を見ながら感じた希望を失わないで、世の中を渡って幸せを掴むんだというものだという内容だと思います。言い換えれば、故郷で少年少女の頃に願った夢を忘れない今の自分でいたいということでもあります。「僕のハックルベリー・フレンド、ムーン・リバー」を昔の自分と考えると、この詩の意味が理解し易いと思います。

映画「ティファニーで朝食を」のテーマ曲になっていたことから、「ムーン・リバー」は、月光に輝くニューヨークのハドソン川の情景などを思い描きますが、本当は都会に居て、懐かしい故郷と、故郷の川を見ていた自分自身を思い出しながら、今の自分を励ましている、そんな歌です。
もう少し分かり易く言えば、「ムーンリバー」とは河の流れに喩えた自分自身の生き方・信念というアイデンティティそのもので、その河の流れの中で、挫折するか、追い求める夢を掴みとるかどうかは、自分自身の生き方・在り方に係っているとも解釈できると思います。そんな解釈を考えながらこの映画を観れば、描かれたテーマが尚一層身近に感じられると思います。

ジョニー・マーサーのサイトには他に、隣の曲がり角を回った家は「Rainbow’s end」と言われていると書かれていますが、これはマーサーの実家が観光地化した時点のことか、またはこの歌の内容とは関係はない、「街角を曲がると虹がある」という内容の古い歌詞や言い回しを使って、洒落てみたのではないかと思います。