バラエティ番組のひな壇でジャニーズの歌手が
お笑い芸人と対等にボケる。
クイズ番組で頭の悪いキャラを演じる。
グループとしての活動だけではなく、
個人個人でドラマや映画に出て主演する。
お料理番組やバラエティの司会をやる。
このような歌手のバラエティ進出は、
いわば売れない歌手がバラエティ路線に転換して
お笑いタレントになっていく流れしか無く、
SMAPのようにアイドルとしてまた、シンガーとしてグループを保ちながらそれぞれがまた個性を保ちながら、またグループとして活動もし、ヒット曲を出し続けたのは、SMAPが初めてでした。
ジャニーズの歌手は
踊りと歌という
アイドルの若い一時期のみを
切り売りして行く、
はかなさと悲しさが同居して、
たとえばフォーリーブスや
たのきんトリオ、
光GENJI、男闘呼組、
忍者までは完全に
きれいな男の子路線でした。
しかしSMAPはトーク番組やコント、
ドラマにバラエティに、
それぞれが持ち味を出しました。
ある時は素顔の自分を出して、
歌番組が無くなった
テレビ時代に合わせた
マルチタレントとしての
新機軸を作りあげたのです。
その後TOKIOやV6もバラエティ路線に挑戦し、成功した。
シブがき隊は薬丸が司会転向に成功。
本木は俳優として独自の地位を確立した。
かなり人気のあった
今や少年隊は東山だけ生き残り
演劇やミュージカルに出演している。
SMAPの雑草のような魅力は
日本の若者に勇気を与えて、森
の脱退や草薙の飲酒トラブルや
稲垣の歌事故など、
様々な困難を乗り越えて来た
その雑草魂なのである。
ジャニーズ事務所の役員が
SMAPのダンスについて
否定的なコメントをしていたようだが、
まさに古い時代の固定化時代誤った
考えであり
時代おくれも甚だしい。
ジャニーズ内でも、
バク転や踊りの上手いグループは、
早期に解散し、グループとして
存在していないのである。
SMAPに、
ダンスの上手い下手などは
彼らの持つパワーにより、
もはやどうでもいい事である。
SMAPファンがSMAPに期待するのは、
歌や
カッコよさだけでは無い、
この醜い世の中に
生きる人々が
どのような時でも
仲間と助け合い、
自分の心に
素直に生きる姿なのである。
若者がSMAPと重ね合わせるのは、
ダメな自分もわかりながら、
自らを信じてひたすら生きる
その生き様のような気がする。
そしてそれが出来ていない自分を
励まし、こんな自分でもまた今日から
前向きに、明るく生きて行こうと
しているファンは
SMAPと一つになって生きている。
その意味では単なる
アイドルでは無い彼らの足跡を、
こんな事務所内の
内紛で終わらせることは、誠に悲しい。
SMAP解散、
日本のあらゆる国民にとって
その喪失感は計り知れないのである。