コロナでずっと休止している

中学のPTA卓球クラブがある。

このクラブはこの地域に住んでいれば

参加させてもらえる。


毎週木曜日の晩

19時半から21時まで練習していた。


私もよく練習させてもらっていて

ほぼ皆勤賞!すごく楽しかったのが

幻のように感じる。


コロナはおさまったものの

体育館の事情で

再開が難しいらしく

学校から全然連絡が来ないまま

もうこのまま

中学のPTA卓球部は

難破船のようになっている。


私は何年か前に大会に出させてもらい。

なんと…初心者だったけど

経験者のママちゃんと組んで

ダブルスで準優勝までできた!


中学のPTA卓球クラブには

Fさんという

すごい達人の80歳代のおじいさんがいて

みんなを指導してくれる。


そのおじいさんは仙人のようだった。

どんなに打ち込んでも

ひょいっと返してくれる。


そして的確にアドバイスをくれる。

すごく私も教えていただいた。


Fさんは近所にお住まいなので、

よくリュックサックを背負って

歩いているのを私もよく見かける。


「Fさーーーん」と私が手をふると

「今から◯◯体育館で練習行くところ」とか

いつもどこかの体育館で卓球の練習をしていた。


そんなFさんが

コロナでどこも体育館など使えなくなって


一気に足腰が弱くなってしまった。


1年ほど前たまたまスーパーで

Fさんと会った時は


「もう昔のようには卓球できないわ」と

弱々しく言ってたのが

すごく悲しかった。


「ゆっくりでもいいので

やりましょう」と私も答えていた。


その時はPTA卓球クラブがもうすぐ

再開できるという話が出ていた。

でも再開は果たされないまま…


そのFさんが歩いているのを

今朝!久しぶりに見かけたのだった。


「おはようございます!」と

後ろから声をかけて

Fさんの顔を覗いた。


いつもだったら

「あー!ひさしぶりやね」となって

立ち話をするのだけども


Fさんは会釈をしてくれたけども

私の顔を見ても無反応だった。


すごく悲しくなった。

父と同じ表情だったからだ。


実は

Fさんと私の父は、同じ85歳。


父は最近私の顔を見て

「誰だったかな」

というぼんやりした表情を見せる。


Fさんもその表情だった。

 

私は言葉に詰まってしまった。

私の中ではFさんは超人だった。

すごい人だった。

年齢も感じさせない人で

思慮深い人だった。


私は後ろからFさんに声をかけたあと

笑顔で会釈して

追い越して歩いた。


歩きながらずーーっとずーーっと

中学で卓球をしていた頃の思い出が

ぐるぐる頭を回っている。


Fさんに指導してもらっていた記憶が

ぐるぐる頭を回る。


取り戻せない時間がある。

卓球クラブはいつ再開するのかなぁと

呑気に思っていたけど


もうすでに取り戻せない現実があった。


昔のように早く卓球したいなと

思っていたけど


昔のようにって何なんだろうって考えると


昔のようには…


前を向いていたつもりでも

夢みてたものが

壊れてしまったようだった。


色んなものが失われていくようで動揺した。


この現実に

何を思えばいいのだろうか。

何を学びとすればいいのだろうか。


まだ答えが出ない。