PCの前でも時間があまりもてなくなっていた数か月

なんとなく街の図書館へ行ってみた

 

膨大にある書架の中を

ウロウロし

数冊手にとって頁をめくってみるものの

なんとなく物憂い感じがして戻すを繰り返して

「日本の小説」の書棚をみてみた

 

本を読むのが日常の中で当たり前だった頃

新聞や雑誌の書評欄で知ったもの

年代問わず誰もが知っているもの

学生だった頃、周りはみんな文学少年少女で

それくらいしかひとりの時間に過ごす術がなかったような時代だったから

友達からの影響も多少あったように思う

 

恋をしていた男の子に

「この主人公お前に似てるから」と

贈られた本で知った作家に夢中になり

転校先で初めて仲良くなった女の子に

「読んでみて」と貸された本で

青春の暗澹なるものを共有したつもりになったり

 

ほかにも

「山田かまち」や「高野悦子」・・・(笑)

なんか青春を謳歌するというよりは

その多感さに

若さというエネルギーをもてあまして

外側に向うものを徹底的に内側に向けるような

陰鬱さの彩りを取り込むことが

大人の階段を昇る年代の誰もが持つ

一種の成長への世の中へのアンチテーゼのようで

かっこいいと思っていたんだろう

時代も「腐ったみかん」だったしね(笑)

 

そんな思い出の本の背表紙を見つけると

瞬間、あの頃の懐かしい時代へワープして

気持ちまでシンクロしたり

そうやって10代という多感な年頃に過ごした風景は

こんなに時が過ぎてしまった今でも

ちゃんと残っていて

いつだってなにかのきっかけでちゃんと発動する

 

「あ、この作家読んだな~」とか

「あ、これ誰かがすすめてたな~」とか

「あ、これ話題になってたな~」とか

「あ、こんな作家いたな~」とか

「この作家、まだこんな感じの題名なのね」とか

自分の中の忘れていた感覚がよみがえってきて

なかなか借りる本が決まらない(笑)

 

ふと、タイトルに魅かれて手にとった一冊

ぱらぱらとめくってみて

主人公がカタカナの名前で

舞台は日本じゃないどこか

「う~ん」と思いながら

目次をみてみると

 第1章 廉潔の館へ
 第2章 翠霞の宮殿へ
 第3章 紫の朱を奪う
 第4章 形而下の浸透とその法則性
 第5章 疑念の振動とその不規則性
 第6章 虚数のように軽やかに
 第7章 天知る地知る
 第8章 麗しき天倪
 第9章 熟せずして青枯らび
 第10章 紅塵を逃れるに迅
 第11章 座して星原を見る・・・・・

 

これだけで借りるよね(笑)

 

読んでみたらおもしろかったから

この著者の他の作品も読んでみた

久々に「ずきゅーーーーん」(笑)

 

どれ読んでも

「ずきゅーーーーーん」(笑)

セリフの言いまわしにいちいち

「ずきゅーーーーーん」(笑)

 

文字を追うこともあまり時間をかけられない状態だったので

読むスピードがいつもより半減していたけど

かえってそれがよかったみたいで

ちりばめられている言葉がしみわたって

なんとも心地よい読後感

 

本を選ぶとき

初めての著者と出会った時

まず

ぱらぱらとめくってみて

ざっと目を通して

ひっかかるワードがないか探って

著者の経歴を見て

目次があれば目次に目を通して

著者本人のあとがきがあれば読む

 

ここまでのどこかの段階で

心にひっかかればゲットする

という、自分のルーティンを発見して

自分の基準を知ったのも意外だった

 

今まで、あまり意識していなかったことを

丹念に意識していく時間になったことも

計らず、そうしないと出来なかったからだけなんだけど

ぞんざいに忘れていた自分のひとつのパーツを

思い出すことになって

長いタイムラグが色々な意味で現れたのも

自分が創造した時間で必要な期間だった

 

自分の中がすこしずつふくらんでいくような

あ~こういう感じ好きっ っていう

根拠も説明もなんにもない

ただただ

自分の感性を合う感じの単純な

「こういう感じ」

「なんか好きっ」な世界が

手を伸ばせばいつもあるのって

心がふわっと平らになって

心がしゅっと落ち着いていく

 

たまには昔読んだ本を手に取ってみるのも

いいかもしれないね^^

 

読書の秋っぽい記事でした^^