とても12月とは思えない陽気ですなぁ。
京都の着付け教室*いろは
講師の東です。
七五三着付けも落ち着いた今日この頃。
12月は成人式に向けた振り袖着付けのお稽古、お稽古、お稽古の日々です。
とっても楽しいお稽古ですが、
「コレはシワなの?ヒダなの?どっち?」と成人式本番まで300回位言うのは、毎年の事でございますね。
そんなレッスンレポも書きたいところですが、本日は久しぶりにプチッとしたお話。(久しぶりに更新してこの話題か?と思わない事も無いけど、誰かの参考になればそれで良し👍)
美容院・呉服屋さん・パーティ会場・レンタル着物店などからお着付けのご依頼を頂戴致します。
そんな中でも今回はレンタル着物店のお話。
着付け教室*いろはでは、レンタル着物店にお勤めの着付け師さんへの指導もしておりますが、たまに私も現場に出て勉強します。この経験がレンタル着物店にお勤めしている方や、今から就職される方に必要な対策スキルとして、フィードバックされるので、とっても貴重な時間でもあります。
ひっさしぶりにレンタル着物店の現場にお邪魔した時、「他店にて急にフォーマル着付けのオーダーが入った為、着物一式を運んで欲しい。」と連絡が入りました。
着物の移送⇨手の空いてるスタッフが行けば良い。
との判断です。
別に間違って無いのですが、移送先のお店に運ぶ必要な物品を確認したスタッフが怪訝顔。
どうやら、ご予約の内容をきちんと確認して無い様子。
「はあ?大丈夫?」って感じですが、一応心配になり、「七五三詣りの親子さんの着付け出来るか確認して。」とお願い。
数分して、「物があれば一応出来るそうです。」
「一応って何?」
この場合返事は「出来る。」「出来ない。」の2択です。
「一応って何?」
「出来るって事でいいんやね!って念押ししなはれ。」
すると、「お稽古はしましたが、お客様には1人で着せた事無いスタッフと、訪問着は着せられるけど、男児の袴はちょっと不安、と言ってる人です。」
・・・
それは出来ないって言うんだよ!
もうね。
知ってるけどね。
いろいろなレンタル着物店のスタッフ面接で選考に携わる事も有りますが、まあ、「出来る出来る詐欺の多い事」
受かりたい気持ちは良く分かるのですが、「振り袖、留袖着せられます!」
でやって頂きと、エライコッチャ状態。
「えーっと、10年ブランクがありまして。」
「アシスタントはやってましたが、1人で着せた事無いんです。」とゴニョゴニョ
今回も案の定、訪問着の着付けもユルユル。
男児の肩上げさえやり方を知らない。
袴もわからない。
もちろん直ぐに交代して無事に着せ付けが終わり、お客様をお見送りした後、「どう言うつもり?⇦怖いヤツ」と反省会です。
知らない・やった事無い・出来ない事は悪いことでは有りません。
誰しも「初めて」は有ります。
これは年齢に関係有りません。
しかし「出来ます。」は、やった事が有る、知識が有る、お稽古した事ある。では有りません。
着付けが終わった後、お客様に堂々と「お金下さい。」と言えるか?です!!
知人や知り合いに無料で着せた経験があるのを「出来る」にカウントはしませーん。
何故ならこちらはプロがお金を頂いてお着付けする店だからです!
「出来ると思います。や、多分、きっとなどモニャモニャ言うなら、出来ません。と言って下さい。お客様に迷惑です。」
あなた方には何度もある内の1回で、「失敗しても次頑張ろ〜。」かも知れませんが、そのお子様の5歳のお祝いは1回きりなんですよ。
何故時間とお金を出して着付けをご依頼されるか、わかってますか?
大切な人生の節目だからです。
その為に我々はお手伝いをさせて頂き、その対価を頂いておりますよ!
キチンとした仕事をするから、それに見合った着付け料を頂いております。
無料や500円で着付けるなら、多分出来るかな?でも結構ですが、お客様が支払う対価に見合うだけの着付けが出来る自信が無いなら、正直にそう言って下さい。
私は出来ない事を叱った事は一度もないよ。
「出来ません」=課題発見。
このスキルを身につけてステップアップする。
以上。
と、久しぶりにプチときちゃいましたよ。
黄昏れちゃうわー
雇用形態にも関係してませんからね。
正社員だろうと、バイトだろうと、お客様から頂く金額が同じならプロはプロ!
日々自分の技術を研鑽している尊敬すべき先輩着付け師さんも沢山いらっしゃいます。
我々着付け師も技術職なんだから、キチンと対価を下さいと堂々と言える着付け師さんが増えると良いなぁと思っております。