上部消化器症状5 | 治る力

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鍼灸・マッサージを生業にしている者が思うことを
綴ります。ときに前向きに、ときに後ろ向きに

〇腹部膨満感

・心窩部(みぞおち)の膨満感

膨満感を感じる部位は、心窩部とそれよりも少し下の

腹部とに分けて捉えます。

心窩部の膨満感は、幽門部(胃から十二指腸への移行部)

の通過障害、また胃の蠕動運動低下によって起こり、

多く食欲不振を伴います。

病名としては、胃炎、胃アトニー、胃癌など。

 

・腹部の膨満感

腹部の膨満感が起きる理由は、主に胃や結腸内のガスです。

便秘型の過敏性腸症候群に伴う場合が多くあります。

先述しました通り、痛みや膨満感が激しかったり、

発熱などがあれば、速やかに医療機関へ。

イレウス、穿孔性腹膜炎、腹腔内出血が疑われます。

 

※イレウスとは、腸管麻痺による腸管蠕動の低下、

腸管内腔が閉塞すればそれは腸閉塞。

 

・呑気症

空気を飲み込んでしまい、いろいろな機能性障害を生じます。

通常安静時は、上下の歯は離れていますが、

噛みしめるようになると、舌が上あごに張り付き、

のどの奥に唾液と空気が溜まります。

この溜まった唾液を飲み込むときに、空気も飲み込んでしまいます。

ストレスの多い人、神経症傾向の人、うつの人に多く、

あまり噛まないで食べることこでも起こります。

飲み込んだ空気のほとんどはゲップかオナラになりますが、

多量に飲み込んでしまった空気の窒素成分は、消化管内では

吸収されません。

 

警察官との逃走劇の後に捕まった犯人が腹痛を訴え、

調べたところ、胃に穴があいていた。

しかしその犯人に胃疾患の既往はなかった、

といった話があります。消化器系はそれほど精神からの影響を

強く受けるんですね。