・慢性椎間関節性腰痛
慢性の椎間関節腰痛の原疾患として多いのは、
高齢者なら変形性脊椎症、円背、
青少年なら脊椎分離症、脊椎すべり症、分離症、
分離すべり症などです。
治療は、急性期の椎間関節性疾患と同様です。
・慢性筋筋膜性腰痛
急性のものであれば表層筋、慢性のものなら表層筋、深層筋
からの両方が疑われます。
限局性で痛みが鋭ければ、過収縮した表層筋の伸長時痛。
治療は、運動鍼がよく効きます。
限局性で鈍痛なら、表層筋の過収縮時痛と捉えます。
この場合、置鍼が効果的。
広範囲な鈍痛では、深層筋(胸腰筋膜)障害を疑います。
外志室または外魂門の深刺が有効です。
外志室とは、
腰部の深層筋性の筋筋膜性腰痛に対し、
深部の筋膜を広域に刺激する目的で胸腰筋膜を刺激する手技です。
また、この辺りは腰神経叢部でもあり、
筋筋膜の緊張が二次的に腰部神経叢を刺激している場合にも
有効と考えられます。
手順は、
①患側上部側臥位
(伏臥位でも胸腰筋膜が刺激できないわけではない)
②脊柱起立筋の外縁にある筋溝をさぐり筋緊張を確認。
横突起をねらうように刺鍼。
③抵抗感を感じた後、雀啄。鍼響を得る。
④5~10分置鍼。
外魂門刺鍼とは、刺入点を上方にずらしたもので、
似田先生が考案しました。