皮膚を摘まむことで体の状態をさぐる「撮診」という方法があり、
腰痛の判別などに用いられます。
「椎間関節腰痛」のときにもお話しましたが、
背中の皮膚を摘んだときにボテッとして摘みにくければ、
その摘みにくいところや、
そこに対応する背部一行線や二行線や三行線上の圧痛点が
治療点となります。
皮膚が摘みいくい、ボテッするというのは、
交感神経が興奮することで血管が収縮し、
皮膚(筋肉も)が通常の良好な状態が保てていない、
ということを示しています。
そこへ刺鍼する目的は、
脊髄神経後枝の知覚線維の興奮を鎮め、
痛みを軽減させることです。
この時、そこを走行している交感神経幹からの
分枝の興奮(つまり交感神経の興奮)も鎮まります。
しかし、腰痛がない人の背中を摘んでも
ボテッとしていることはあるし、
背中のどの部分ということもなく、
どこを摘んでもボテッとしている人もいます。
なかなか教科書通りにいかないものです。