ネパールの空港で会った天使 | 藤野由希子のブログ

ネパールの空港で会った天使

今日のお昼はネパールレストランに行きました。
そこに飾られているネパールのストゥーパ(仏塔)の写真やカトマンズの写真を見ていて、昔ネパールへ旅行した時のことを思い出しました。

大学生のときに、初めての一人旅でインドとネパールに行きました。

当時ある学校に通っていたのですが、学校の先生から「マザーテレサのオーラが輝いていて、TV撮影のときに、カメラのライトがつかなくてもオーラで明るくて、撮影ができた」という話を聞いたのがきっかけです。もともとマザーテレサは尊敬していて、その前の年にマザー自身は亡くなっていたのですが、その言葉をきっかけに私のなかで何かが目覚めたのです。

「インドに行きたい、マザーテレサのところに行ってみたい」と思うと、いてもたってもいられなく、実際にその場所に行かなくてはと思いました。

そして色々な人から旅行情報を聞くなかで、「インドに疲れたらネパールに行くといいよ。落ち着いているから」と大雑把なアドバイスをもらい、ネパール行きを決めたのです。

インドのコルカタからネパールのカトマンズまでは飛行機で直行便が出ていて、近いので、インドに着いてから航空券を買いました。

持っていたガイドブックはインドの『地球の歩き方』のみ。ネパール版は持っていません。とりあえず飛行機に乗って、カトマンズに着いて、地図をもらえばなんとかなるだろうと思い、ただ出かけてしまったのです。そしてきっと日本人か他の旅行者がいるから、その人たちと一緒に行動すれば大丈夫と。

しかし、飛行機のなかはインド人ばかりで外国人旅行者も見当たりません。

ぼーっとしているうちに、あっという間にカトマンズの空港からは人影が消え、たった一人取り残されてしまいました。英語もよくわからないし、ましてネパール語なんてわかりません。カトマンズの市街が空港から歩いていける距離なのか、それともタクシーなのか、バスなのかそういったこともわからず、空港で一人ぼっちになってどうしようと思っていました。

すると、日本語で声をかけられたのです。「日本人の方ですか?」と。見ると、背の高い白人の男性で、流暢な日本語を話すのです。どこからともなくやって来て、話を聞くと「ネパールのNGOでボランティアをしている」とのこと。日本人もいるので、日本語も話せるということでした。そして「じゃあ、一緒に市街まで行きましょう」とタクシー乗り場に行きました。

普通だったら見知らぬ男性と二人でタクシーに乗るなんて危ない行為ですが、不思議と危なく感じませんでした。そして、それ以外の方法は本当になかったので、一緒にタクシーに乗りました。その男性はネパール語も流暢で、タクシー運転手さんとコミュニケーションをとっていました。

市街に着いて、「ホテルは決まっていますか?」と聞かれて「まだです」と言うと、一緒にホテル探しを手伝ってくれるというのです。彼のおすすめのホテルへ行き、値段の交渉までしてくれました。そのお部屋はかわいいインテリアで本当に安くて、うれしかったです。

そしてそのホテルに部屋を決めると、彼は、自分の住所や名前などの連絡先を残さず、「よい滞在を」と言って去っていきました。

インドやネパールだと、男性にホテルの部屋番号などを教えるというのは一般的にとても危ないことです。毎日のようにたずねてこられるというトラブルも起こりかねません。

ところが、この彼は、私を空港からタクシーで市街に送って(お金も払ってくれました)、ホテルを探すのを手伝ってくれて、そして別れた後はもう二度と現れることはありませんでした。

彼は本当に天使だったのかもしれないなと思うことがあります。

誰もいない空港で何をしていたのだろう。そして、日本語もネパール語も流暢で、本当にただ助けるためだけに来てくれたとしか思えません。

必要なときは、天使は人の姿をとって助けに来てくれることもあるといいます。ネパールを思い出すときは、いつもネパールの天使について思います。ネパールの天使さん、どうもありがとう。