リアルサウンドの記事で「日本アーティストのアジア進出が加熱」というのを見た。その地域やキャパに関して説明している内容だが、冒頭でBABYMETALにも軽く触れていたが、「西洋圏で通用する特例」としての軽い紹介だった。
敢えて紹介した意図は色々あるだろうが少なくとも別枠扱いなのは確かなようだ。YOASOBI、藤井風、yama、ワンオク、マンウィズ、ラッドなどが紹介されてるが、その多くがアニソンヒットを持つ。つまりアニメという文化のパワーがプッシュしたという側面は大いに考えられるだろう。
ここでリアルサウンドもそう認識しているBABYMETALが別枠という部分の根っこを考えてみた。
結論から言えばBABYMETALは文化として成立していて、その他はバイラルヒットであって文化としてはまだ成立していないと言うことだろう。付け加えるなら邦楽より大きな規模で文化として世界規模で成立している日本アニメ文化の側面が大きい。今これを書いてる時点のビルボードグローバルチャート1位(邦楽)はKing Gnuのアニソンだ。
アニメは一部のコンテンツ以外は基本的には一過性の流行りモノだろう。しかしそれでも多くのBIGアーティストがこぞってアニソンを作る。勿論彼らはアニソン専属のアーティストではなく、独立した自分を売るアーティスト達だ。そんな彼らがアニソンを作るのは勿論アニメにおけるアニソンの存在が大きいからこそ、そこに仕事としてだけではなく創造性を刺激する部分もあるだろう。だがここまで極端な状況になるとアニメと関わる旨みが美味いと言わざるを得ないと感じる。
つまり極論で言うと商売。勿論BABYMETALだって商売でやってる部分は多くある。だが順序というものの違いが差として現れていると感じる。BABYMETALは自身のパフォーマンス一発で世界に出ていった。そこにアニメ文化の後ろ盾は無い。そうやって海外進出して13年BABYMETALは愚直にそのスタイルを曲げずに続けている。あくまでもBABYMETALの客とどう向き合うか、メタルという音楽文化の中で成功する為にどの様に活動してきたかの部分に大きな特徴がある。
ある種採算度外視で事務所やプロデューサーなどの裏方が一致団結したからこそ一過性で終わらずに文化として成立した。アミューズは元々そういった継続は力なりのスタンスが色濃い事務所だ。特にベビメタはその中でも作家性が強く、非常にワンオフ感が強い。そのオンリーワンなスタンスはファンダムにも伝播する。それが13年間で築き上げた文化だろう。
もう既にそこにあるアジアという市場、アニメという大きな市場に乗っかるのではなく新たな市場を開拓していったそのスタンスこそが新たな文化を生んだ要因だ。
BABYMETALのライブにはBABYMETALのお客さんしか来ない。そういう構造を敢えて構築することで持続可能な文化として成立させた。これらは安易に乗っかったプロモーションはしない姿勢からも伺える。
BABYMETALの圧倒的な存在感は数字やチャート、知名度なんかには表れないそういった確固たるスタンス、そしてそれによって作り上げた文化としての部分にある。
終わり