城塞の北側からミーニョ川の方へ向かう。
早速モホン(ホタテ貝の道標)を見失い、道に迷う。
国際橋。
ミーニョ川。
雨も降っていて
川幅も結構ある。
川の真ん中で、スペイン側から歩いてきた男性とすれ違う。
「ブエンカミーノ!」と笑顔で、
初めて声をかけてもらう。
「ブエンカミーノ!」
この後、何百回とたくさんの人と声を掛け合う。
思い出すだけで心がじーんとあたたかくなる。
橋の真ん中あたりが国境らしいが、
目印は見つけられなかった。
橋を渡り終わる辺りで
声を掛けられる。
「¿De dónde país? ¿Asia?」
わたしはうろ覚えの単語で「Japón!」と答える。
出会う人、人、巡礼の私たちをあたたかく迎えてくれているなあと感じる。
橋を渡り終えると、スペインとポルトガルは1時間時差があるので
8時半位だったポルトガルから、9時半過ぎのスペインへ。
国境をわたると、スペイン Tuiの街。
サンティアゴ・デ・コンポステーラまで100㎞少しあるため、
巡礼証明書を欲しい人はTuiから歩き始める人も多いのです。
こういうモホンを見るとカミーノっぽいなあと思います。
サンティアゴ・デ・コンポステーラまで118.464Km。
そんなに歩けるだろうか…と初日は思いました。
Tuiからサンティアゴ・デ・コンポステーラまで
白いカラーの花が咲いているのをたくさん見かけました。
真っ白なカラーの花が美しく
柔らかな曲線もすてきで
なんだか
この世に生きていることを
カミーノを歩いていることを
祝福されているみたいだなあと思いました。
四角に囲まれた中庭。
時折、雨脚が強くなったり、弱まったり。
中庭には誰もいなくて、
静かで美しいのだけど、
出口の方へ行っても
行き止まりで外に出られない。
30分位ぐるぐる回って、
受付のお兄さんに
「外に出られない」
と言ったら、
「ガーデン見た?タワーは見た?」
ともう一度受付を立って中庭の方へ案内された。
どうも、有料の拝観料の中には、中庭、ガーデン、タワーへ登る料金が入っているようで、
お兄さんはそれを案内したかったらしい。
ガーデンは一度行ったけれど行き止まりで、
今後もっと整備して、公園?みたいな感じになるらしい。
タワーは階段を登って行ったら屋根の上のようなところに出て、
ミーニョ川の向こうに対岸のポルトガル(ヴァレンサ)が見える。
ガーデンもきれいだったし、
タワーからの眺めも写真ではうまく伝わらないほど良かった。
そして出口は最初に私が出ようとしたところだった(^^;
Tuiの大聖堂で1時間位ウロウロしてしまったが
Tuiの大聖堂のタワー(屋根の上)から見た景色。(下の2枚も同じ)
大聖堂を出て、こういうのを見るとカミーノらしい雰囲気だなあと思います。
Photoスポットですね!
ポルトガルの道は7割以上が森の中だったような気がします。
モホン。
サンティアゴ・デ・コンポステーラまで116.870Km。
初日はそんなに歩けるだろうか…の不安ばかり。
雨も上がって晴れ間が見えてきました。
雨の装備は、バックパックにレインカバーのスタイルの人も多いです。
ただ雨が強いと、ショルダーとレインカバーで覆いきれていないところから
雨が染みこんでしまうと
カミーノを歩いた人のブログで読んだので
私はレインポンチョをリュックの上から羽織るで正解でした◎
3月のカミーノは、ペレグリーノ(巡礼者)はちらほらで
多くもなく、少なくもなく、私はちょうど良く感じました。
出会った人同士で、挨拶したり、軽い会話をしたり、
みんな、同士のような、昔から知っている友達のような、親戚の人同士のような
あたたかい心のつながりを感じました。
初日はとにかく荷物が重くて、
もう歩くの無理ではないかと思うくらいでした。
そして、切実なお手洗い問題。
カフェ休憩でお手洗いを済ませますが、
長い距離、カフェが見当たらないこともあって、
初日から、やっとカフェに入れたのは15時。
カフェ休憩が出来てほっとしました。
足は定期的に休ませた方がいいと
カミーノを歩いた方のブログで読んでいたので、
1時間に1回位靴を脱いで足を休ませました。
マメが出来ると大変と、こちらも情報を仕入れていたので
好日山荘で購入した5本指のインナーソックスと、ウールの靴下、
どちらも3,000円位するお品でしたが、
これも正解でした◎
ちょっと値段がはる靴下だったけど、
マメは一度も出来ず、
足は6日間快適でした!
ウールの靴下は乾燥機にかけて縮んでしまいましたが、
それでも、洗いながら(乾燥機で縮ませながら(笑))毎日履いたのは正解でした。
途中で出会ったドイツ人の女性はマメが出来て痛そうでした。
ヨーロッパの女性は体格、骨格はしっかりしていて歩くのも早いし、
重い荷物も私に比べれば平気そうなのですが、
マメが出来てしまうと、歩くのに支障が出てしまいますね。
夕方、16時過ぎ、私営アルペルゲ「Senda Sur」に到着。
巡礼スタイルの私の格好を見た地元のマダム(アルペルゲの関係者ではない)が笑顔で近寄ってきて、
「こっちだよ~」と
「Senda Sur」の案内をしてくれました。
これも巡礼者に対する地元の人のホスピタリティだなあとありがたく感じました。
宿泊者は少なくて、Camaroteという薄手の板でかこまれた2段ベッド2つの簡単なスペースに一人でした。
プライバシーが守れるので、オープンな2段ベッドより良い感じ。
出入りはカードキーです。
この後、カードキーにまつわる事件が…。
洗濯をしようと部屋を出てきたところ、
カードキーを部屋に置き忘れてきてしまったのです。
気温は10度前後。(たまたま室内でもダウンコートを着ていた。)
このアルペルゲにはドライヤーが無くて、
濡れた頭に金魚の手ぬぐいをかぶって、足元はサンダル。
どうしよう…。
宿泊者は私以外、ファミリーの一組と、あと大部屋の男性1人。
みんな外出中。
誰か戻ってきても、
自分のベッドのブースにはカードキーが無いと入れない。
外は暗くなり、
チェックインの時にもいた
多分このアルペルゲの関係者(工事か何かをしている初老の男性)
が入ってきたので、夢中で呼び止めて状況を説明する。
男性の話によると
「自分は英語が話せない。スペイン語しかわからない。
いったいどうしたの?
あなたの言葉はわからない。
この宿のオーナーが近くのカフェテリアにいるからそこに行って話してきて。」
というようなことを言っていた。
私は頭に金魚の手ぬぐいを巻いたまま、
裸足にサンダルで小雨の降る中を走っていく。
カフェテリアのあたりをつけて中に入り、状況を説明する。
カフェテリアの店員さんが、オーナーに電話をしてくれて
店員さんがマスターキーを持って一緒に来てくれた。
ベッドのブースに無事入れてカードキーを無事再度入手。
先ほどの男性と、カフェテリアの店員さんと、
みんなにお礼を言って、
いろいろ丸く収まりました。
部屋に入れずに椅子に座って夜を明かすことになるかと思った夜でした。
良かった。良かった。
長い一日でした。