「誕生学」の可能性 | sachiのブログ

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「一人ひとりがそれぞれに自分らしくいられる場」をつくる人
でありたいなあと思いながら働く日々を綴ります。


先週28日土曜日に日本誕生学協会 主催の
「誕生学セミナー」に行って来ました。大葉ナナコ さん素敵でした。
興味がある方は、お勧めです^^

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※この写真は誕生学協会とは関係ありません。こちらから拝借。


「誕生学は、「生まれてきたことが嬉しくなると、未来が楽しくなる」をコンセプトに
「生まれてくる力を伝える」 ライフスキル教育プログラムです。」とのこと※こちら 参照

出産・妊娠などの仕組み(事実)によって、
「いのち」をストーリー性をもって伝えていく。
「いたい」「苦しい」「鼻からすいかが出るくらいの痛さ」
「あなたを産んだときは本当に大変だった」
というネガティブな伝え方は誤解と同時に自己否定を生み出す。
そうじゃなくて、いかに出産・妊娠のプロセスが「とーってもよくできたデザイン」であり
人間はただそこに存在するだけで「すごい」ことなんだということを
論理的かつドラマティックに伝えることで、自己肯定感を高めていく手法はすごく新しい。

どこが私にとってとくに「新しい」かというと。

家事や、地域活動や、仕事によって何かを奉仕すること(to do)だけが
周りに認められていき、自己肯定できるプロセスなんだと思っていた。
何かを与えられるんじゃなく自分がなにかすることで
自分の存在を見つけていけるんだろうなあと。

しかしそれだけが自己肯定のプロセスじゃない。
誕生学は、出産の正しい知識、事実をストーリー性でもって伝えることで
「ここに誕生していま生きている自分はすごいんだ」と本気で
思えるようにするプログラム。
「自分が自分として生きている」という事実(to be)がすでに自己肯定させる力を持っている。

通常(というと語弊があるかも)ただ自分が生きているだけで
肯定してくれる存在が「家族」である。
まずは「親」「家族」という核になる人がto beであることを肯定してくれて、
次に「友人」「地域」「社会」に奉仕するtodoすることで肯定してくれる。

しかし、「親」や「家族」がいない人だっている。
いても充分肯定してもらえなかった、愛情を充分もらえなかった人。
そういう人たちは認められたくてto doばかりする。

そうするとどうなるかというと、

エネルギーが外(組織内)に行く子は弱音をはかず周りからは「しっかりしている」と言われ、
認められたいために死ぬほど仕事をしたり中学生でも完璧な敬語を使ってまわりに気遣う。
(もちろんこれを続ければ、思いつめて自殺・過労・精神病も考えられる。)
エネルギーが外(組織外)に行く子は、綺麗な服を着て街を歩いたりタバコをすったり族に入ることもある。
女の子は自分を好きといってくれる男の人に依存していくケースが多いらしい。
そのまま妊娠してすてられたり、犯罪に走ってそのままもどってこなかったり。
エネルギーが内に向く子は、引きこもるなどの行為が起こりやすい。

このような人たちにいくらto doの自己肯定プログラムを進めても
きっとto doが強迫観念になって、しんどい思いをするだろうなあ。
仕事をすることで認められるなら、もしその仕事で認められなかった場合はどうするんだろう。
「認められないなら、おしまい」という思考にならないだろうか。

誕生学は「親」や「家族」がいなくても、こういう人たちに
「自分が生きていること」という事実を肯定させることができるプログラムであるように思う。
誕生は「いのち」。
秋田さんが「いのちは皆に共通するものだから、上下関係なく対等に伝わる」と
おっしゃっていたけれど、まさにその通りだと思う。
キャリア教育などto doはたくさんあるけれどto beは結構少ない。
そこに新しさと次世代の可能性を感じた。

そんなことをかえちゃんに言ったら、
香川の山本文子さんが運営する「いのちの応援舎 」について教えてくれた。
来月、香川に行こう。