1996年秋の昇段審査。
受審者 横手道場 S先輩
S先輩は超真面目な方だ。
私も真面目だね
と言われる事があるが、それは違う(笑)
みんなにもバレていると思うが
以前会社の上司に「真面目なふりしやがって」
と
こっぴどく怒られた事もある。
小さい頃から確かに真面目なふりをしていた。
それは否定出来ない。
S先輩は、本当に真面目な方だ。
もし、仮にS先輩にそうでない面があったら、人間不信になってしまうだろう。
話をしている姿を見たこともないし、もちろん話をしたこともない。
S先輩の十人組手はまさにS先輩そのものだった。
寡黙な十人組手だった。
この十人組手は、十人全員黒帯。
ちなみに私の時は、7人茶帯・3人黒帯だった。
(正直、茶帯と黒帯は違うんだ)
(強さにおいてだけではない)
S先輩は、打たれ強く・粘り強く・心が強い。
一度も倒れることもなく、戦意喪失することもなく完逐した。
その時、黒帯になりたいと思ったのではなく、これをやりたいと思った。
今現在、黒帯を締めさせて頂いているが、どうも黒帯は厄介な時もある。
入門して一番末席で稽古していた時の気持ちを見失いがちになる。
道場で抱えている様々な問題。
みんな一番末席で稽古していた時の気持ちを取り戻せたなら、ほとんど解決するのではないか?
そう簡単には行かないか(笑)
S先輩から一番大切な謙虚な気持ちを学びました。
ありがとうございました。