水疱瘡明けのリサイタル | 海津幸子 ミュージック・ラボ のブログ

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横浜市港北区のピアノ教室。
2歳から大人まで、アンサンブルや伴奏、コンチェルト指導に力を入れています。
音楽表現は自己表現! 
個性を伸ばすことで、社会の中での自分の役割を見つめ育みます。

手足口病でレッスンを

お休みされた生徒さんがいました。

 

子供の夏風邪のイメージですが、

大人がかかると重症化する

ケースもあるとか。

 

で、思い出したのですが、

私は大人になってから水疱瘡やりました。

 

今日はその時のお話を少し。

 

大事な自分のリサイタルの

2週間前にオペラの本番があり、

その公演が終了して帰宅途中、

何やら首や顔に発疹がでだしたのです。

 

疲れかなぁ、と思いましたが、

翌朝その発疹が広がってきたので、

医者に行きました。

 

診察一発で「水疱瘡ですね」!!

感染の恐れがあるので

2週間は自宅待機と言われました。

 

リサイタルは新チャレンジとして、

コンピューターとのコラボレーションを計画。

PCを操作するスタッフ不在だと

練習さえできない曲があったので、

スタジオの1室を

海津room」として、

セットアップしてもらっていたのです。

 

感染防止のために

人に会ってはいけない、

となると、

それらの曲は

練習できないわけです。

 

リサイタル2週間前に

危・機・的・状・況 !!!

 

スタッフ一人一人に尋ねた所、

幸いにも全員が

水疱瘡発症済みで、

免疫を持っていたのです。

 

それならスタジオに行ける、と

家から電車だと

約1時間かかるスタジオに

毎日タクシーで通いました。

 

高熱と身体中発疹で痛痒い中、

なぜか悲壮感も焦りもなく、

淡々と課題に取り組む日々でした。

むしろ楽しかったくらいです!

 

この2週間は

仕事は全てキャンセルでしたから、

リサイタル準備に没頭できたわけです。

もしかしたら水疱瘡も

天からの恵みかも!

と感じていました。

 

リサイタル当日は

自宅待機期間明け日だったのですが、

顔や腕の発疹の跡が酷く、

1時間かけて壁塗りのように

ファンデーションを厚塗りしてもらい、

舞台に立ちました。

 

爽やかな気分で本番を終え、

来てくださったお客様との

ホワイエでの面会では、

この2週間の

状況説明をすることに。

 

そうすると、

ある友人の演奏家が、

「私ならリサイタル中止している」

その言に、私はハッと驚きました!

 

そういう選択肢は

私の中になかったことに、

初めて気づきました。

無事催行するには

どうしたらよいか、

という思考しかなかったのです。

 

なんと盲進型思考だったのだろう、

馬鹿だったなぁ、と思うと同時に、

お馬鹿でよかったなぁ

と思いました。

 

催行するか、

中止するかで迷うことなく、

結果としては催行して

正解だったからです。

 

水疱瘡の熱量より

「やりたい」という熱量が

勝っていたからでしょうか。

 

魅力的でワクワクすることに出会い、

挑戦できたことに感謝しています!

 

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