マール遺伝子
は、うさぎであればイングリッシュスポット遺伝子のように、犬の毛色に影響を及ぼすものです
このマール遺伝子についての情報及び、獣医師、ブリーダーからの認知度などは、日本語で読めるサイトが多数ありますので、うさぎの巨大結腸症を知りたい方には、まず先に、ぜひこのマール遺伝子について知って欲しいです
こちらは日本獣医師会に寄せられた、ある獣医師の意見からの引用です(引用先の全部も読んでいただきたいです。)
小動物の遺伝性疾患に関する考察
今本成樹† (新庄動物病院院長・奈良県獣医師会会員
《抜粋》
ミニチュアダックスフンドにおいては,「ダップル」という白の混じった毛色が一時期高値で取引されていた.
しかし,ミニチュアダックスフンドの交配においては,ダップルという白が混じった毛色同士の交配では死産や小眼球症,難聴を呈する個体が確認されている.
過去には,多くの無知なる繁殖の犠牲となった個体がおり,その経験から危険な交配パターンもブリーダーの中で知られてくるようになってきた
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このダップルという毛色は,「マール遺伝子」という遺伝子が関与している.マール遺伝子は,メラニン細胞が胎生期に正常に分布しないということを引き起こす遺伝子でもある.
メラニン細胞が正常に分布しない場所,特にそれが感覚器において影響を受けた場合,たとえば耳の蝸牛において,メラニン細胞の配置が胎生期になされなかった場合には,難聴を引き起こし,網膜へ影響を及ぼすと,視覚異常を引き起こす.また,場合によっては,死産を引き起こす.
白色化や毛色の希釈を引き起こす遺伝子には,危険が潜んでいるということは,すでにブリーダーの中では,経験上それを認知されていたし,ごくわずかな飼い主の間でも知られていた.
一方で,ほとんどの獣医師はこのことを知らなかった.その理由としては,死産や,先天性の小眼球症,失明の場合には市場に出回ることはないために,臨床獣医師の目にとまることはなく,日々の診療で問題となることもないからだと私は考える.こうなると『知るチャンス』がないので,獣医師が知らなくても仕方なかったということになる.しかし,近年の素人繁殖の横行により段々と『知るチャンス』が増え,注目されるようになった.
引用元