「女のいない男たち」 | よさこいの夏

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2023年12月からこちらへ引っ越しました。

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映画で観た「ドライブ・マイ・カー」の村上ワールド振りがとても響いたので、原作を読んでみたくなりました。
去年の夏、観終わってすぐに予約した本の順番がやっと回ってきました。
村上春樹には珍しい短編集です。6作品が掲載されています。
お話がどこかでつながっているような、同じ世界の物語を別の角度から描いているようにも感じられた6作品。
村上ワールドに浸りました。
どこか寓話の世界のような不思議な感覚が心に沸き起こります。

「ドライブ・マイ・カー」の映画はこの6編の作品のあちこちからピックアップして作られているようにも感じました。
映画の方では家福という主人公(西島秀俊)の運転手として働く三浦透子の人生を深く描きすぎていて、なんだか焦点がぼやけてしまっているような気もしたし、その描き方も極端すぎて非現実的な描写になっていましたが、原作には三浦透子の生い立ちを書いた部分はなく、むしろ分かりやすかった。
また映画で圧巻だった演出家役の西島秀俊と俳優役の岡田将生が車中で対峙する場面も、原作にはありませんでした。

それこそが映画演出家の面白さでもあるのでしょう。原作のままではなく、何かを足したくなる気持ちもわからないではありません。

 

短編集の方は「イエスタデイ」や「木野」も面白かった。これらも映画の中にプラスされているように感じました。

心理描写がやっぱりいい。村上春樹の世界に惹き込まれます。