「蝶が飛ぶ 葉っぱが飛ぶ」河井寛次郎 | よさこいの夏

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2023年12月からこちらへ引っ越しました。

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河井寛次郎さん。
1890年(明治23年)に島根県安来で生まれ、21歳でバーナード・リーチに影響を受け、陶芸や木彫など数々の作品を作り上げた民藝活動の父。
1966年(昭和41年)に76歳で亡くなられています。
先日、京都に行った時に、この河井寛次郎さんの工房兼ご自宅を観に行きました。
京阪七条駅から歩いて15分ほどのところにあります。
斬新でモダンな陶器やユニークな木彫、工房、ご自宅のユニークな造りにも惹かれました。
あちこちに河井さんの書かれた言葉が展示されていて、それも素敵に面白かったので、本を読んでみようと図書館で予約しました。工房では1700円で販売されていた文庫本です。

芸術家というのは、こういうことなのだなあと唸らされるような内容でした。
陶芸家だけど、陶芸だけではない。
木彫も、言葉も、住まいも、表現すること、創ることこと、すべてが芸術に繋がっています。

原田マハさんの著作「リーチ先生」に、バーナード・リーチと一緒に民藝活動を展開したこの河井寛次郎さんや濱田庄司さん、柳宗悦さんが登場します。
芸術家として高価な唯一無二の作品を作ることではなく、名もなき職人が作り出す日常生活の中で庶民が使う陶器や、それを工業と共同しながら大量生産して庶民の生活に広めることに価値があるとする姿勢は、この時代だからこそ素晴らしいと思えます。

「何という今だ
今こそ永遠
全自分を賭けている時―—この時より他に生きている時があるであろうか。
生きているのに、生きたり死んだり、死んだり生きたり。」

 

いのちは歩く 自分をさがしに歩く

 

からだが標準 からだがはかる

 

こんなにものが美しく見える人間の美しさ

 

生命は美しいものを見に来たのだ みにくいもののためではない

 

貴重な生命ー自分と戦っている生命

 

生命の正体ー歓喜

 

どこからさかして来たかこの形
どこからさがして来たかこの色
花よこの花

 

邪魔草引きぬかんとふと見れば花みつけたり 引くにひかれず

 

・・・・・・・・・

 

最近、明治、大正、昭和初期に生きた人の本を読む機会が度々あります。
時代が変わっても、人の想いは変わらないものなのだなあと、つくづく感じます。
平易で読みやすい本が簡単に刊行される今ではありますが、ひと昔前に生きた人たちの深く細やかな文章は素晴らしい。

この本も2006年に、河井寛次郎さんの著述をまとめて復刻版として講談社から刊行されたもののようです。
河井寛次郎さんの感性の深さ、とても面白く読みました。