「ある男」 | よさこいの夏

よさこいの夏

spunkyなspecialなsweetyな日々をず~っと(^^♪

2023年12月からこちらへ引っ越しました。

 
 
 

160_20221201194101人は自分の親を選んで生まれてくることはできない。
自分の出自を選べない。
もっと言えば生まれてくる国も人種も選べない。

 

ただただ心根の優しい人がありのままの自分として幸せに生きることを願うのをどうして責められるでしょう。
過去や親の犯した罪から逃れるために、もし戸籍を塗り替えるなどということができるのなら、そうしてでも生きたいと願う人はいるのだろう。

 

窪田正孝さんの演技は素晴らしかったですね。
不器用にも懸命に生きようとする青年像を見事に描き切っていた。
主人公の妻夫木聡くんを越えてた気がします。

 

何と言っても不気味な柄本明さんが最高でした。
こんな役をできるのはこの人しかいないって思えました。
そして、安藤サクラの子ども役の坂元愛登くんがまた素晴らしかった。
彼のセリフの一つひとつがこの作品の救いだと感じました。

 

戸籍の売買などということが簡単にできるものなのか?
在日3世であることをこんなにも隠そうとする理由は何?
妻夫木聡演じる城戸の人生観ももっと掘り下げて欲しかったな~。
安藤サクラ演じる谷口里枝が離婚に至った理由は?
家を継ぐのが嫌だというだけで簡単に戸籍を手放した仲野太賀演じた谷口大祐の人生観は?
こういう展開になる以前の物語がもう少し語られたらよかった気がしました。

 

過去に囚われて苦しむ人は誰しも「ある男」になりたい。
作品のテーマはよく分かりました。
でも少し舌っ足らずな印象が残りました。

 

★★★