外務大臣に挑んだ女(13) | 菅野さち子 オフィシャルブログ「ふるさとを忘れず、ふるさとに寄り添い、ふるさとのために生きる」Powered by Ameba

外務大臣に挑んだ女(13)

12月3日(月)

 今日からは菅野さちこ氏が田村郡内での活動の為、須賀川宿泊じゃ無かったので私は須賀川事務所に8:00出勤となり、久し振りに楽な朝となった。やはり家を出るのが7:00位だと日常のペースなので有り難い。

 明日の出陣式に間に合う様に、12月12日(水)須賀川での個人演説会のチラシを発注した、印刷のプロは今日の今日で間に合う、流石だ。

柴原選対本部長代行にもスイッチが入り、須賀川市内への挨拶回りにも駆り出され、タイトなスケジュールに拍車がかかった。  

 公示、出陣式を明日に控え、選対スタッフは皆黙々と、ただひたすら自分の役割に没頭していた。

 午後、私は、県議会の部会に出席する為、福島市に向かった。公示までの大体の段取りは出来て来て、一息ついた感はあるが、必ず見落としとアクシデントが有るはず、安心と覚悟が同居する不思議な心境である。

 アクシデントが出た、遊説隊の担当に入ってくれている吉野事務所の野地秘書に呼ばれた、肩をすぼめる程に寒い事務所の外で、

「吉野代議士の中国ブロックの順位が19位なんです」

「えっ?」

「とにかく余所のお手伝いどころじゃありません、いわきの吉野事務所に戻ります」

当然である、党本部による第5選挙区の調整で比例に回った吉野氏だったが、比例の順位は公示の前日に分かる、19位では当選できないのでは?やはり一寸先は闇か?

 夜のうちに情報が入った。中国ブロックでの比例重複候補のうち、当落が微妙なのは2~3人なので、吉野氏の順位は実質的には3~4位だ、当選ラインだから心配は要らない。と安倍総裁から吉野氏に電話が有って落ち着いたらしいが、いわき市の吉野事務所は一時騒然となったらしい。

 アクシデントは続く、素人候補である菅野さちこ氏のフォローの為に、遊説初日は森参議に終日付いて貰おうとの案が通らず、森参議は出陣式のみの出席、その後は会津地方の第四選挙区に約束が有るので、遊説フォローは出来ないと言う事になった。

選対本部長と森事務所秘書との連絡タイミングに齟齬が有ったのが原因だった。しかし、菅野さちこ氏の素人っぷりからして、やはり遊説初日は誰かが付いていなければ無理だ。岩城県連会長、遠藤議員会長、平出幹事長、森参議に連絡を取り続けての調整が続いた。

 午後10:10森参議から電話が入り、午前中は同行出来る事となった、彼女としても連絡ミスが原因のアクシデントだったし、苦渋の判断だったと思うが、きっと来年の自らの選挙にプラスになる様に仕込んであげたいと思った。

 アクシデントはまだ続く、午後10:24菅野さちこ氏から電話が入る。娘さんから電話が入り滅入っている様だ、内容は

・・長男がマスコミ人である為に、出馬した母親に情報を流しているのではないかとの噂が立って長男が困っている。兄が困っているのを心配する妹が「家族に迷惑をかけて、家族をバラバラにしてまでも本当に出馬するつもりなのか?」と言って来ている・・・

と言う事らしい、それで

「こう言う事になるから、長男がマスコミ人である事を発表しないで欲しかったんだ」

と私に言う訳だ。

 そもそも我々とマスコミとのイザコザは、11月18日の、情報の小出し+写真を撮られるのを避けた逃亡劇に始まり、自民党県連での事務所開きの際、菅野さちこ氏のマスコミ批判スピーチで、自らが盛り上げた訳だし、我々が発表しようがしまいが、長男の職業などマスコミは調べ上げて分かっている。そもそも我々は、長男の職業など発表していない。 

 話の途中で、

「あっ、また娘から電話が入ったのでまたかけ直します」

となった。選対の中に入りっきりになっている我々と、日常生活の中に居る菅野さちこ氏の御身内との間には、大きな環境と意識のギャップが有るのは当然の事なのだが、選対の中から観える風景とすれば、出馬しようとする本人の子供達が、明日公示だという段階になっても、本人に最も強いプレッシャーをかけていると言うのも、実に重い現実だった。

 明日の出陣式の第一声は屋外の予定だが、天気は大丈夫だろうか?日付が変わって事務所を出る頃、小雨が降り出した。